【今週の☆☆☆】菅田将暉&小松菜奈主演の『糸』、マジメ女子高校生の暴走を描く『ブックスマート』、ジョニデ最新作『グッバイ、リチャード!』…週末観るならこの映画!

コラム

【今週の☆☆☆】菅田将暉&小松菜奈主演の『糸』、マジメ女子高校生の暴走を描く『ブックスマート』、ジョニデ最新作『グッバイ、リチャード!』…週末観るならこの映画!

週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MovieWalkerに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今回は、8月21日(金)から今週末の公開作品をピックアップ。中島みゆきの名曲をモチーフにした話題作や、全米でも話題の青春コメディ、余命わずかな大学教授が主人公のヒューマンドラマなど、バラエティ豊かなラインナップ!

見えない“糸”で結ばれた男女の、すれ違いとめぐり逢い…『糸』(8月21日公開)

菅田将暉と小松菜奈は本作で3度目の共演!(『糸』)
菅田将暉と小松菜奈は本作で3度目の共演!(『糸』)[c]2020映画『糸』製作委員会

中島みゆきの同名のヒット曲をモチーフにした本作は、平成元年に産まれた男女のすれ違いとめぐり逢いの18年間を平成史になぞらえて描いた壮大なラブストーリー。“すれ違い”は恋愛映画の王道のシチュエーションだけに、出会いと別れ、再会、事件と運命がドラマチックに連続する展開を文字だけで追うと絵空事に思えるかもしれない。だが、本作がそうならないのは、実際の土地で俳優陣が本当にそこで生きている人たちになり切っているからだろう。菅田将暉が演じた主人公のように、北海道でチーズ作りに情熱を注いでいる青年は間違いなくいるはずだ。小松菜奈が扮したヒロインのように、シンガポールに渡ってネイルサロンを一度は成功させながらも思いがけない裏切りで涙することもある。さらに、その長い時間の中には、たくさんの喜びや悲しみ、辛い別れもある。人生とはそういうものだ。でも、だからこそ、男と女を運命的に結ぶ見えない“”なるものがあると信じたい。そのことを、恋人たちの21~30歳の成長と変化を繊細に体現した菅田と小松が肯定。『64 -ロクヨン-』でも平成史に斬り込んだ瀬々敬久監督の彼らに寄り添う眼差しも、奇跡のドラマを現実のものへと引き寄せている。(映画ライター・イソガイマサト)

女子高生が卒業前にハジけまくる!すべてのキャラが愛おしい…『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(8月21日公開)

【写真を見る】モリーとエイミーは青春を取り戻せるのか!?(『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』)
【写真を見る】モリーとエイミーは青春を取り戻せるのか!?(『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』)[c]2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

高校3年間、まじめに勉強に励んだ親友二人組のモリーとエイミー。しかし遊び呆けてたクラスメイトたちも、一流大学や大企業に進むと知って愕然!「もっと遊んでおけばよかった」とばかりに、せめて卒業式前夜のパーティくらい楽しもうと、彼女たちの暴走的な夜が描かれる。『リチャード・ジュエル』など俳優として活躍するオリヴィア・ワイルドの監督デビュー作。優等生だけど、自意識も過剰。そんなモリーとエイミーをはじめ、出てくるキャラクターはみな言動が大げさで、いかにも“アメリカン”な青春ムービーなのだが、観ているうちに全キャラに愛おしさを発見できるから、不思議!それだけ監督が愛を込めて高校生たちを見つめているのだろう。ふつうの映画なら強調されがちなセクシュアリティなどの多様性も「当然」として描く未来志向なムードも心地いい。後半はジェットコースターのような痛快なノリに乗せられ、後味もスッキリな傑作だ。(映画ライター・斉藤博昭)

特別で刺激的。ジョニデ教授の講義が胸に響く…『グッバイ、リチャード!』(8月21日公開)

突然余命を告げられたリチャードは、残りの人生を謳歌することを決めるが…(『グッバイ、リチャード!』)
突然余命を告げられたリチャードは、残りの人生を謳歌することを決めるが…(『グッバイ、リチャード!』)[c]2018 RSG Financing and Distribution, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ジョニー・デップが脚本を気に入って映画化が決定した、まさにジョニデのための映画。全編にジョニデイズムが漂っていて、衣装はもちろん、車やペットの犬といった小道具の一つ一つにもジョニデらしいセンスを感じずにはいられない。品行方正な大学教授のリチャードはがんが見つかり、突然、余命宣告される。彼は残された180日を好き勝手に生きようと決意する。これまで、作家やジャーナリストになりきってきたジョニデ。その面影が重なり、まるでジョニデ本人が教授であるような錯覚に陥る。人生をどう生きるのか。教授リチャードが学生たちにかける言葉はジョニデ自身のメッセージのよう。正面からぶつかって、もがいたっていい。自分だけのストーリーを生きていけ。ジョニデ教授の講義はなんとも特別で刺激的。(映画ライター・髙山亜紀)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/トライワークス

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