『喜劇 愛妻物語』濱田岳&水川あさみ、凸凹夫妻を作り上げた舞台裏にはハプニング満載
「常に奥様の存在を感じながらお芝居をしていたような感じでした」(水川)
――監督ご夫妻を投影した役柄を演じる上でのプレッシャーも?
濱田「まあ、そうは言ってもあくまでも“似て非なるものです”ってことではあったので、決して監督をそのまま真似っこしたわけでもないです。ただ、ヘラヘラ具合というかニヤニヤ加減というか。それはかなりお手本にさせていただきました。足立さんの特長は、やっぱり笑い顔なんでしょうね。イライラしている時に見ると、なおのこと腹が立つという(笑)」
――水川さんもヘラヘラしている濱田さんに腹が立ちましたか?
水川「もちろん!しかもそのすぐ隣には監督もいますし(笑)。でも『ヘラヘラしてりゃあ生きていけると思いやがって!』と怒るチカの根底には、夫の才能にすごく期待してる部分もある。今回はそこをちゃんと大事にしながらやれたらいいなと思って演じました」
――具体的には、監督からどのような演出が?
濱田「僕の場合は、セリフのニュアンスの調節ぐらいでしたね。似て非なるとはいえ、豪太はそもそも監督自身がモデルなわけだから『もうちょっとひどい感じで!』って僕に言うと、自分で自分の首を絞めることになるからだと思うんですけどね(笑)。だからちょっと遠回しに『まあ、普通はこんなことやっていると、そりゃ怒られますよね…』みたいなことを、監督が僕のところまで言いに来る(笑)。それを見ながら、『ああきっと監督はこういうことが言いたいのかな』と思って、僕なりにちょっとテストの時の表現と変えてみたりとか」
――水川さんは怒り方を監督から演出されましたか?
水川「監督は奥様と一緒に脚本を作っていらっしゃるんですが、もともとは激しい怒りをあらわにする場面だったのに、後から奥様がチカのセリフをちょっと優しい口調に書き直ししていて(笑)。でも結局は『ここは最初の台本通り、もっとちゃんと怒ってほしい!』みたいなことを、監督から言われたりするんです(笑)。目の前にいらっしゃらない時でも、常に奥様の存在を感じながらお芝居をしていたような感じでしたね」