毒母、介護、躁うつ…“壊れゆく女たち”を描いた映画『女たち』予告編が公開
『共喰い』(13)の篠原ゆき子をはじめ倉科カナ、高畑淳子が共演する映画『女たち』(2021年春公開)。同作より女たちのほろ苦い人生を切り取った予告編とポスタービジュアルが公開された。
本作に登場するのは、仕事も結婚も上手くいかず、半身不随となった母親の介護に追われる美咲(篠原)、「あんたなんて産まなきゃよかった」と美咲に罵詈雑言を浴びせる母親の美津子(高畑)、人知れず心に闇を抱える美咲の親友で養蜂家の香織(倉科)といった、いずれも逃げ場のない毎日をギリギリの精神状態で過ごす“壊れゆく女たち”だ。
自分を否定し続ける母親に反発しながらも、心の奥底では自分を認めてもらいたいと願う美咲。しかし、そこに介護という現実がのしかかり八方塞がりに陥った美咲は、家にときどきやってくるホームヘルパーの直樹(窪塚俊介)に一縷の望みをかけすがろうとする。そんな矢先、美咲の憧れの存在であった香織が突然の死を遂げたことで、美咲の心もポキリと折れて崩壊へと向かっていく。
予告映像には美咲を演じる篠原と、夫の自死も自分の半身不随もすべて娘のせいにする毒母の美津子に扮した高畑の壮絶なバトルが収められている。“味が好みではない”と美咲の作った料理を美津子が皿ごと床に落とすシーンには、凍てつく空気さえ感じてしまうほど。また、香織を演じた倉科の美しくも狂気に満ちた死に様も圧巻で鬼気迫るものがある。
篠原は本作について「『私はここにいます。あなたと同じ時代に生きています。』私が胸を張って伝えたいことは、実はそれだけのことかもしれません」と語り、倉科は「生きることは苦しい。それでも食いしばって生き抜いていく、泥臭く。汚く。それしかないんだとこの映画を作りながら思いました」とコメント。
小さな町で一心不乱に生きた“女たち”の物語を、主演女優たちの熱演とともにぜひスクリーンで見届けたい。