黒木瞳監督、果敢に挑んだロックな映画『十二単衣を着た悪魔』の舞台裏を語る
黒木瞳が、『嫌な女』(16)以来4年ぶりに2本目となる長編監督作『十二単衣を着た悪魔』が11月6日より公開中だ。原作は脚本家で小説家でもある内館牧子が、『プラダを着た悪魔』(06)からインスパイアされたという同名小説だ。黒木を突き動かし、メガホンをとらせたのは、ひとえに「この世界観を映画にして世に送りだしたい」という情熱だった。黒木監督に単独インタビューをすると、どんな試練があっても、決して物怖じすることのない“ロックな姿勢”がうかがえた。
主演の伊藤健太郎が演じるのは、就職試験59連敗中で実家暮らしをしているフリーターの伊藤雷。雷は、京大医学部にストレートで合格した文武両道の弟、水(細田佳央太)に引け目を感じていた。雷はある日、「源氏物語」のイベントを設営するバイト帰りに、家の付近で激しい雷雨に見舞われる。目が覚めると、平安時代にタイムスリップしていて、そこは「源氏物語」の世界だった。雷は、皇妃、弘徽殿女御(三吉彩花)と出会い、口から出まかせで陰陽師“雷鳴”を名乗ることに。
2012年の刊行時から原作小説に惚れ込み、映画化を熱望してきたという黒木監督は、前作の制作時と同様に、映画化権の取得や脚本作りの段階からすべてに目配りし、情熱を注いできた。
本作の監督を務めることに迷いやプレッシャーなどはなかったのか?と黒木監督に尋ねると「プレッシャーというか、怖いと言えばいつも怖いんですが、原作がおもしろかったので、これはぜひ映画館でお客様に届けたいという一心から挑みました」と、凛とした表情で答えてくれた。常に毅然とした態度で、自らの意志を貫く皇妃、弘徽殿女御のりりしさとも重なる。
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