豪華キャスト実現のカギは“食運”!?映画監督デビューを果たした寺門ジモンを直撃!

インタビュー

豪華キャスト実現のカギは“食運”!?映画監督デビューを果たした寺門ジモンを直撃!

Tシャツには「MEAT SOLDIER」の文字が!
Tシャツには「MEAT SOLDIER」の文字が!撮影/河内彩

「クリストファー・ノーラン監督みたいな映画をやる予算と期間は、当然ない!」

話が一段と熱を帯び、ちょっと“ネイチャージモン”の顔をのぞかせたが、今回は「映画監督」寺門ジモンとして、隠されていた才能を披瀝している。

「クリストファー・ノーラン監督みたいに、スケールのデカい映画、俺、大好きなんですが、それをやる予算と期間は当然ない。そこでマクロではなくミクロの方を選択して、オープニングショットはキャベツの千切りに(笑)。とはいえスクリーンの大画面でキャベツが千切りされていくとこ、見たことないでしょ。これまでにない“画”が連続する映画をつくろうと思ったんですよ。焼いてる肉をトングでひっくり返すたびに、左右にジューシーな肉音が移動してゆく映画なんてないじゃないですか! まあ、当初のオープニングの構想はね、湾岸をカメラが捉えて進み、豊洲の食材の中を抜けて行って下町に辿りつき、子供たちがワーッと走ってきて子供時代へとワープしていくと…やらないで正解でした。上映時間をタイトにしたかったんです。食べ物映画で2時間は長い。苦労しましたけどね。自分で書いた原作ゆえに切れないので、脚本家さんにプロとしてズバズバとカットしてもらって。そうそう、肉を焼く時の音楽にもこだわりました。和楽器を使っているのですが、“祭”っていう漢字は“月+又+示”で出来ていて、“月(にくづき)”は肉を意味し、人が集って神様にお肉を捧げる行為のことなんですね。よって、NAOTO君が肉を焼くたびにドンドコドンドコ、太鼓の音が鳴るようにしたんです」

ただの食映画にあらず、家族の絆の物語としても一級品!
ただの食映画にあらず、家族の絆の物語としても一級品![c]2020 松竹

「ものすごいサバイバルコンビニ店の映画をつくりたい!」

行列のできる有名な足立区の「スタミナ苑」をはじめ、日本を代表する焼肉屋が舞台として(仮名で)登場、お店ごとの素敵なエピソードが全編にちりばめられている。ちなみに、食に関するフェイバリット映画を伺ったら、ピクサーの傑作アニメ、ブラッド・バード監督の『レミーのおいしいレストラン』(07)が挙がった。

「あれ、料理もいいけど、出てくる赤ワインが最高なんですよ! シャトー・ラトゥール1961だとかシャトー・シュヴァル・ブラン1947…作り手たちがフレンチをしっかり勉強している。俺の食に対するモットーは、『その人が食べたいように食べる』のが答え。ただし、勉強はしたほうがいいと思うな。始めから学びもしないで好き勝手にやるのはもったいない。何もないところに自由がないのと同じですよね。規制されるからこそ自由の楽しさを感じられる。勉強すればするほど、自由になれるはず」

映画は、機会があれば、また監督したいと言う。アイデアはいくつもある。

「サバイバルムービーをつくりたいですね。そうだ! コンビニの店員が、自分でカスタマイズし、ものすごいサバイバルコンビニ店をオープンしちゃったみたいな話、どうです? 生き残るための全ての器具があるコンビニ。売ってるものが違うの。店長がやたら筋肉隆々で、飲み物のラックの裏側にいろんなサバイバルグッズが並んでいて、『アイ・アム・レジェンド』ばりの物語がこの店で展開する…なんてどうでしょうか(笑)」

「監督っぽいかなこれ?」と色んなポーズをとってくれたジモン監督!
「監督っぽいかなこれ?」と色んなポーズをとってくれたジモン監督!撮影/河内彩

取材・文/轟夕起夫

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