『劇場版 FGOキャメロット』は気軽に楽しめる!電撃ホビーウェブ×MOVIE WALKER PRESS編集部がその魅力を熱く語り合う
ついに12月5日(土)に公開となった『劇場版Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編 Wandering;Agateram』。人気ゲームアプリ「Fate/Grand Order」(FGO)のエピソードを映像化した本作だが、ゲーム未プレイだったり、「Fate」シリーズの世界観を知らなかったりすると、映画を理解できないのでは?と戸惑う人もいるだろう。しかし、『劇場版 FGO キャメロット 前編』はもっと気軽に楽しめる!今回、「電撃ホビーウェブ」(以下、電ホビ)編集部の「Fate」関連の企画をこれまでも担当してきた高橋佑太氏と、MOVIE WALKER PRESSの「FGO」特集担当の大場徹に、それぞれの専門分野の視点から『劇場版 FGO キャメロット 前編』の注目ポイントや「Fate」シリーズの魅力について語り合ってもらった。
なにもわからなくて触れ始めるのは、ゲームも映画も一緒
――2人はホビー、映画各々の分野から「Fate」シリーズを紹介し、プライベートでも「FGO」ユーザーとのことですが「FGO」のどのような要素に惹かれるのでしょう?
高橋佑太(以下、高橋)「個人的におもしろさを感じているのはシナリオです。『本当にスマホゲームなのか?』と思わされるほどテキスト量がすごい!それによって、個性豊かなキャラクターが深く描写されている点が最大の魅力です。シリーズの原点となる『Fate/stay night』では一定数の登場人物がいて、そのなかで物語が描かれますが、『FGO』はキャラクターが次々と登場し、物語のなかで徐々に掘り下げられていく。サーヴァント(歴史上の英雄や物語、伝説の存在を魔術で召喚した英霊)が魅力的というのも惹かれる理由です。キャラクターがビジュアル的にも、内面的にも魅力的だからこそ、ファンからはおのずとフィギュア化が望まれるようになります。私も電ホビで『Fate』のフィギュアを紹介させていただいたり、『FGO』に登場するサーヴァントのフィギュアを企画・開発させてもらっています」
大場徹(以下、大場)「そのサーヴァントという特異な存在によって、歴史や時代を超越した夢の共演を“一つの物語”として見事に仕立てているのが『FGO』の魅力だと思います。過去に『リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い』という冒険映画のなかで『海底二万マイル』のネモ船長や『ジキル博士とハイド氏』のはジキルといった、世界の名作小説の主人公が共演したことがありますが、映画的にはあの感覚に近いかなと思います。13世紀のエルサレムに円卓の騎士が現われて、古代エジプトの王様がそれに対峙し、そこへ玄奘三蔵やレオナルド・ダ・ヴィンチが居合わせる…と本作の説明を聞いた人は『なにそのカオス?』と思うのが普通ですよね。ところが一見カオスに思える共演を“何者かに介入された歴史を修正する冒険譚”として、各々のドラマを立てながら紡ぎきった。その“世界観の形成力”がものすごい。その力は、映画でこそダイナミックに映える潜在性を秘めていると思います」
高橋「登場するキャラクターは、個々でも十分“一つの物語”が書き下ろせるほどの生涯や伝説を刻んだサーヴァントばかり。歴史の授業やなにかの小説や映画で『聞いたことがあるな』と思う存在を集めて、新しい関係性を創造しながら昇華させたところは流石ですし、惹かれる部分。『FGO』をプレイしていても、いつの間にか物語に入り込んでしまいます。案件の締め切り前などに触れるのは危ないゲームですよね(笑)」
大場「最近もちょうど、濃密そうな新イベントがゲーム内で始まって、『FGO』の原稿を書かなければいけないのに『FGO』の誘惑が妨げになるという…(笑)」
――単刀直入ですが「FGO」を知らなくても『劇場版 FGO キャメロット 前編』は楽しめるのでしょうか?
大場「キャラクターが大勢登場すると、アニメは特に気軽に入り込めない印象を持たれがちですよね。でも、ゲームで初めて原作エピソードに触れる際もプレイヤーは『彼らの役割は今回どのようなものなんだろう?』と、キャラクターのことをよくわからずにゲームを進めていくわけで、わからないのが普通なんです。特に先入観を持たずに、歴史スペクタクルを観るくらいの気軽さでも良いかと思います。本作を観る前に、三部作で上映された『Fate / stay night [Heaven's Feel](以下、HF)』シリーズを観ておいたほうが…ということもありません」
高橋:「『FGO』と『HF』には同じ登場キャラクターもいるのですが、まったく違う話だと思ったほうがいいかもしれません。『FGO』はほかのシリーズを知らなくても楽しめる作品です。キャラクターたちの立ち位置や関係性は、『FGO』のなかでも章ごとで変わるので、知らなくても問題ないんです。まずは主要キャラクターと、人理継続保障機関カルデアの目的が歴史の修復であることくらいを押さえていれば、まずは大丈夫だと思いますよ」
男も魅せられる!?イケメンサーヴァントの競演
――今回映像化されるのは、「FGO」のなかでも特にファンから人気のエピソード。その劇場版に期待されることは?
大場「『FGO』って男性にも女性にも親しまれる珍しいコンテンツで、それぞれから支持されるサーヴァントがいます。今回は円卓の騎士たちをはじめ、女性に人気のサーヴァントたちの活躍がクローズアップされると思うので、その辺りの描写に期待が集まると思います」
高橋「男性が観ても、そのカッコよさに『イケメンやん!』と唸ってしまう展開がたくさんありますからね。『Fate / stay night』が登場したころは、かわいい女性キャラクターたちのなかに男性キャラクターがちょっとずついる印象でしたが、虚淵玄さんが書いた『Fate/Zero』だったり、シリーズが派生していく毎にかっこいい男性サーヴァントが増えてきて、気付けばイケメン、イケオジ揃いのシリーズに(笑)。そういった意味でも『FGO』が創られたことでファン層も一気に拡大したのではと思います。フィギュア的にも、タイミングをあわせて円卓の騎士をラインナップするメーカーも出てきました」
――特に活躍ぶりを期待しているキャラクターはいますか?
高橋「エジプト領の“太陽王”オジマンディアスとニトクリスのやり取りは、『FGO』でテキストを読んでいるだけでグッと来ました。そのやり取りや、聖都に君臨する獅子王との激突が、前後編を通してどう描かれるのかワクワクします。映画館で“あのシーン”が声付きで観られると思うだけで…かなり興奮しますよ!」
大場「“あのシーン”というのは、ゲームでも度肝を抜いた“ぶつかり合い”がありまして…。後編の見どころになるのではと。本作はサーヴァント同士のドラマはもちろんですが、やはり戦闘シーンが動きを付けてどう描写されるかが気になるところです」
高橋「『FGO』はエピソード毎に強大な敵が立ちはだかり、それにどう立ち向かうかがゲームにおける肝で、映画に先立って放送されたテレビアニメ『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』でも、ラスボスのスケールの大きさに度肝を抜かれました。本作はそういったスケールの大きさはもちろん、三つ巴の陣営間の戦闘が、集団戦、一騎討ちなど様々な形で繰り広げられるので、その描写にも注目です」
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