佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊が語り合う、コロナ禍で感じた“サイレント・トーキョー”の恐怖
「アンフェア」シリーズの原作者として知られる秦健日子の小説「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」を、「SP」シリーズの波多野貴文監督のメガホンのもと、オールスターキャストで映画化した『サイレント・トーキョー』(公開中)。クリスマスの東京を突如襲った連続爆破テロ事件に翻弄される人々の姿を描いた本作で、事件のカギを握る登場人物を演じた佐藤浩市と石田ゆり子、西島秀俊の鼎談が実現。撮影の舞台裏や共演の感想などについて語り合った。
12月24日、クリスマスイブの東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたという電話を受け、半信半疑で中継に向かったKXテレビの契約社員の来栖(井之脇海)は、そこに居合わせた主婦の山口アイコ(石田)とともに犯人の罠にはまり、実行犯に仕立てられていく。そんななか、渋谷のハチ公前を標的とした次の犯行予告が動画サイトにあげられる。独自の捜査を行う刑事、不可解な行動をとるIT起業家など様々な人々の思惑が交差する渋谷に、“その時”が訪れることに…。
「事件の全貌が、想像を超えていました」(石田)
佐藤「映画を観終わってまず思ったのは、渋谷のスクランブル交差点のオープンセットの再現度と迫力の凄さですよね。通行人のエキストラさんの頑張りには本当に頭が下がりました。暮れの寒いなか、よく集まってくれたなと思います」
西島「そうですね。渋谷は本物にしか見えませんが、足利のオープンセットで撮っています。交差点やハチ公や改札、地下街の入り口などは緻密に再現されていたものの、背景のビルはほぼグリーンバックだったんですよね。にもかかわらず、映画を観て『あれ、僕は渋谷でロケしたっけ?』と記憶が混乱するほどリアルな渋谷が出来あがっていました」
石田「台本に描かれた出来事を自分なりに想像を膨らませて、爆発が起こって怯む演技などをするわけですけれど、出来あがったものを観たら、事件の全貌が想像を超えていました。こんなにすごいことになったんだ、東京は!と驚きで言葉もなかったです。観終わったあと、なかなか整理がつかなくて引きずってしまいました」
佐藤「実際の渋谷とオープンセットの合成技術がすごいよね」
西島「ハイスピードカメラで撮った爆発の瞬間もすごかったです。現場で見ていましたが、撮影にも力が入っていて、そこでもエキストラの方が大活躍でした」