ウッディ&バズから『ソウルフル・ワールド』まで!ピクサー感動作を彩ってきた名バディを振り返り
ピクサーの感動作の立役者として知られるピート・ドクター監督が23年の歳月をかけて創りだした、“生まれる前の魂の世界”を舞台にした大冒険を描くディズニー&ピクサーの最新作『ソウルフル・ワールド』が、現在ディズニー公式動画配信サービス「ディズニープラス」で独占配信中だ。
これまで世界中にいくつもの感動的な物語を贈り届けてきたピクサー。そのユニークでイマジネーションあふれる感動作の数々に共通しているのは、バディキャラクターが大活躍しているということ。この『ソウルフル・ワールド』でも、夢を追いつづけてきたジョーと、人生のきらめきを見つけられない22番が出会い、大冒険を繰り広げていく。そこで本稿では、これまでのピクサー作品を彩ってきた名バディを振り返っていきたい。
ウッディとバズ from「トイ・ストーリー」シリーズ
まずピクサーを代表するバディと言えば、「トイ・ストーリー」シリーズのウッディとバズだ。アンティークのカウボーイ人形のウッディと、子どもたちに大人気のアクションフィギュアのバズ。世界初のフル3DCGアニメーションとして映画の歴史を変えた第1作では、反発しあう関係から次第に仲を深めていき、やがて大親友に。その後も幾多のピンチに直面しながら、常にそれを乗り越えてきた2人。25年間愛されつづける2人の絆は、シリーズを重ねるごとにますます強固なものになっていった。
サリーとマイク from『モンスターズ・インク』
2001年に公開された『モンスターズ・インク』に登場した、子どもの悲鳴を集めるモンスターズ株式会社で働く優秀な“怖がらせ屋”のサリーと、サリーのアシスタントでルームメイトであるマイクの凸凹コンビも忘れてはならないピクサーを代表する人気バディ。見た目も性格も正反対ながら大親友だったのだが、人間の小さな女の子ブーとの出会いをきっかけに、2人の関係に微妙な変化が…。そんな2人の大学時代の冒険を描いた『モンスターズ・ユニバーシティ』(13)も必見だ。
カールじいさんとマイク from『カールじいさんの空飛ぶ家』
また、アニメーション作品としては異例のアカデミー賞作品賞にノミネートされた『カールじいさんの空飛ぶ家』(09)もバディものと言える。亡き最愛の妻エリーとの思い出が詰まった家を守ろうとする、78歳のカールじいさんが主人公。人生最後の大冒険に出ることを決意したカールじいさんは、ひょんなことから、ボーイスカウトの8歳の少年ラッセルと一緒に旅へと出発する。始めはラッセルのことを疎ましく思うほどだったカールじいさんも、旅路をともにするにつれ、絆が生まれていく。
ヨロコビとカナシミ from『インサイド・ヘッド』
さらに『インサイド・ヘッド』(15)では、ライリーという少女の頭の中に存在するハッピーな感情のヨロコビと、とことんネガティブな感情のカナシミが協力しあいながら大冒険。見た目や性格や境遇など、正反対のバディが冒険を繰り広げながら絆を深めていく物語と、正反対の相手と一緒だからこそ気付く“人生の大切なもの”。それがピクサー流の感動作を生みだす秘訣なのかもしれない。
今回の『ソウルフル・ワールド』では、音楽こそが人生のすべてだと信じ、プロのジャズミュージシャンを目指すジョーがある日突然マンホールに落ちて魂<ソウル>の世界へ迷い込む。そこで出会った22番は、人間になるのを何百年も拒み続けているソウルの女の子。元の人生を取り戻すために22番に協力を求めたジョー。正反対の2人が繰り広げる冒険の果てに、どんな答えが待っているのか…。是非ともこの年末年始は、家族や大切な人たちと一緒に深い感動を味わってほしい。
文/久保田 和馬