『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』シーズン1を振り返る!
『ウォーキング・デッド(TWD)』のスピンオフ第2弾、『ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド』シーズン1全10話が配信完了。シーズン全体を振り返ると、こんな魅了が見えてきた!
ポイント1:『TWD』3シリーズの世界はつながっている
本作の時代設定は、『TWD』シーズン1第1話で主人公のリックが昏睡している間に起きた、ウォーカー(=ゾンビ)出現によるアポカリプスの10年後。ということは、本作のシーズン1は、本家シリーズのシーズン10、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』のシーズン5の頃の出来事になる。
また、この3シリーズが同じ世界だということを証明するのは、3つの円が重なったマークのついたヘリコプター。本家シリーズのシーズン9でリックを乗せて飛び去ったヘリにも、『フィアー~』シーズン5でアルが遭遇したヘリにも、同じマークがあった。また劇場版も、リックが主人公なので、おそらくこのマークのヘリが関係しているはず。
そして本作は、このヘリを持つ集団がどんな集団なのかを少しだけ描いている。この世界がどんな状況なのかを知るためにも、これを見ないわけにはいかない。
ポイント2:ストーリーには仕掛けがある
これまでの2シリーズは、中心となるグループが旅の途中で敵に遭遇し、それをクリアする、というのが基本設定。しかし、このシリーズはちょっと違う。中心グループが旅をするのは同じだが、彼らはそれぞれ秘密を抱えていて、その秘密が明らかになっていくという、一種のミステリー仕立てなのだ。
しかもその謎解きにはヒネリがある。ただし、そのヒネリが判明していくのがシーズン後半の第7話あたりから。これがもうちょっと早くから小出しにされたほうが、ドラマが盛り上がったかも? これから見る人は、前半で中断せずに、後半の展開を待とう。
ポイント3:ココが他のシリーズと違う
他の2シリーズとの違いはミステリ仕立てだけでなく、人間ドラマ面にもある。主人公は10代の男女4人。彼らはアポカリプス当時には4~5歳位の幼児で、今は9671人の生存者が平穏に暮らすコミュニティで暮らしている。物心ついてからは、死に直面するような極限状況を体験したことがない。本家シリーズシーズン4のリジーとミカの姉妹とはまったく違う環境で育った少年少女なのだ。
そのうえ、今は思春期。なので、自分の意思に確信が持てず、自分がどういう人間なのか悩んでいたりする。そんな時期だからこその感情や、行動が他の2シリーズとは違うドラマを生み出し、それがこのシリーズの魅力になっている。
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このシリーズは、シーズン2全10話で完結することが既に発表されている。となれば、完結に向けてストーリーがきっちり作られているはず。これからどんなサプライズとエンディングが待っているのか、最後まで見届けないと。
文/平沢薫