菅田将暉&有村架純、イベントでコロナ禍での切な願いを吐露「花束みたいな“打ち上げ”がしたい」
菅田将暉と有村架純がW主演を務める『花束みたいな恋をした』(1月29日公開)の公開直前イベントが26日にTOHOシネマズ六本木で開催され、菅田と有村、土井裕泰監督が登壇。タイトルにちなんで「これからしたい“花束”みたいな出来事」を聞かれた菅田が、「花束みたいな“打ち上げ”がしたい」と、俳優としてコロナ禍での切な願いを明かした。
「東京ラブストーリー」や「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」「カルテット」など多くの連続ドラマを手掛けてきた脚本家の坂元裕二が、2020年の東京を舞台に書き下ろした、オリジナルのラブストーリーが紡がれる本作。プロデューサーとしてテレビドラマで坂元とタッグを組んできた、『ハナミズキ』(10)や『罪の声』(20)の土井裕泰がメガホンをとり、男女の5年間にわたる恋が描かれる。
本作で、初の観客を前にした舞台挨拶となったこの日。まずは菅田が「ありがとうございます。短い時間ですが、この日を楽しんでいきたいなと思います」と挨拶。有村も「大変な日々が続いていますが、劇場にお越しくださってありがとうございます」と笑顔を見せた。
今回のようなラブストーリーは初めてに近かったという菅田は、撮影について「ドキドキする瞬間の表情とか土井さんに演出していただいて、なるほどと。それはすごく新鮮でした」と回顧。また順撮りでの撮影については、「そのおかげで変に計算せずに、素直に2人の日常を送る上での悲しいこと、楽しいことを経験して進んでいけた」と当時を振り返った。
『何者』(16)で菅田と有村が共演してからちょうど5年間。この間で変化した点を聞かれると、菅田は「お風呂上がりにちゃんと髪を乾かすようになった(笑)」と劇中のシーンになぞらえて告白。「面倒くさかったし、家にドライヤーがなかった」と会場を驚かせると、「いまはドライヤーもいいやつがあります(笑)」と笑いを誘うひと幕も。一方の有村は、「コップとかお皿とか、作家さんが作ったものだったり、小さいアイテムみたいな物が増えてきた」と明かし「好みとかって変わってくんだなって」と、自身の変化に少し驚いている様子。
さらにお互いの変化を聞かれ、菅田は有村について「こんな話す人なんだっていうのは今回わかったこと」だと語ると、有村も「当時共演した時は全然しゃべらなくて、しゃべりかけづらいわけではなかったんだと思うんですけど…」と当時を回顧。すると菅田自ら「話しかけづらかったんだろうね。当時の評判悪いもん(笑)」といきなりの自虐ネタ。有村が「忙しかったんだね、きっと」と促すと、菅田も「眠そうで、ピリピリしてたんだと思う。それは変わったのかもしれないね」と自身の変化について語っていた。
続いてタイトルの解釈について話が及ぶと、有村は「花束というワードから“瞬発的なトキメキ”というのものを連想して…。もちろん永遠なものってないかもしれないけど、“瞬発的なトキメキ”があれば人生楽しめるよなって」と自身の考えを明かすと、土井監督も「基本的には生ものってこと。永遠に続くものではない、だからこそ、すごく美しいのではないかとは思いながらやっていました」と作品に込めた想いも明かした。
さらにタイトルにちなみ、「いままであった、もしくはこれからしたい“花束みたい”な出来事」をそれぞれフリップに書くと、菅田と土井監督がまさかの「(花束みたいな)打ち上げがしたい」で答えが一致。菅田は「いまのご時世的にもできないし。本当に仕事、撮影以外で人と会うことがないから、終わった感じがしないし、次に進める感じがしない。すっごい淋しい」と語ると、有村も大共感。さらに「打ち上げって私服で個性もでるし、マスクで顔も見れなかったとなると、どんな顔の人とやっていたのかも確認しづらい」と、コロナ禍での俳優としての苦労も吐露。いっぽうの有村は「(花束みたいな)出会いをしたい」と答え、「トキメキみたいなものに出会い続けていたいなという想い」だと胸の内を明かすと、菅田も“出会い”について「予期せぬ出会いばかりだし驚きの連続。この仕事をしてるのも予期せぬ出会いからだったりするし、一生そうありたい」と未来を見つめていた。
最後には、菅田が「こんな状況ですけど、人との出会いというのを一緒に楽しんでいけたらと思っております」とメッセージをおくり、有村も「恋愛はきっと自分自身の気持ちをとても豊かにしてくれるもの。2人が恋愛をしている日記のような映画だと思う。この映画を観て、恋愛の醍醐味みたいなものを感じてもらえたら」と笑顔で呼びかけた。
取材・文/富塚沙羅