「いきなり自分たちの武器を奪われた」…堂本光一が明かす「SHOCK」20年の想いと、少年隊への思慕
「壁にぶち当たったときは、これからも『PLAYZONE』を観る」
来年2022年に「KinKi Kids」はデビューから25周年。堂本は歌手としての活動と同時に、クリエイターとして「SHOCK」という舞台作りに長年携わってきた。「やってることややるべきこと自体は、いままでと変わらないんです」と、今回初めて「監督」として作品に携わった手応えを明かす。「ダンスにせよ殺陣にせよ、色々な要素にはそれぞれのプロフェッショナルと呼べる方々が、どうすればより良くなるかという思いを持って臨んでくれている。だから監督としてやるべきことは、それぞれの人が抱く想いが、間違った方向に行かないように舵を取ることだと思っています」。
昨年、少年隊のメンバーで近年は舞台演出家として活動していた錦織一清と、「SHOCK」にも出演したことのある植草克秀がジャニーズ事務所を退所。また、TOKIOの長瀬智也が2021年春をもってジャニーズ事務所を退所し、裏方として新たな道を切り拓いていくことを発表した。SixTONESやSnow Manなど次世代グループの活躍とともに、新陳代謝の時期を迎えようとしているジャニーズ。堂本もいずれクリエイターとして新たな道を歩むことになるのだろうか。
「僕は『なにがなんでも自分が』と思うようなタイプではないので、やるべきならやるし、といった気持ちで構えています」と、今後も“作る側”と“演じる側”の両方でバランス感を持って活動していく意欲を見せる。
そして「長瀬に関しては年齢も同じだし、事務所に入ったのもほぼ同期。彼自身が新しい道を行こうとすることを誰にも止めることはできないし、いままでと変わりなく彼を応援していこうと思っています。それに僕自身、少年隊というグループからすごく影響を受けながら活動してきたので、退所という決断を寂しく思う気持ちも少なからずあります。でも自分としてはいままでと変わらないのかな、と。なにかを作らなければいけない時、壁にぶち当たった時、きっとこれからも、いままでのように『PLAYZONE』を観るんだろうな。いまはそう感じています」と、新たなスタートを切った先輩、いままさに旅立とうとしている仲間へ思いを馳せた。
「“Show Must Go On!”は、どんな時代にも当てはまる」
最後に堂本は、苦しいアニバーサリーイヤーとなった2020年について、「打撃を受けたのはエンタメ業界に限りませんし、世界中のみんなが同じ痛みを感じた一年だったと思います」と振り返り、「この映画館での上映も、帝劇で上演する『-Eternal-』にしても、このコロナ禍がなかったら作ろうとも思っていなかった作品。なので僕は、『こういう状況だから…』というネガティブな気持ちではなく、いまだから生みだせるものがあるのだというポジティブな気持ちでいます」と笑顔を見せる。
そして「でもアクセルばかりを踏んでいても危ないので、周りをよく見ながら、その時の状況に対応しながら柔軟性を持って動いていくことが大切だと感じています。なによりも、この物語のメッセージとしてある“Show Must Go On!”という言葉は、きっとどんな時代にも当てはまる。作品を観てくれた皆さんに、なにか少しでも伝わるものがあればいいなと願っています」と結んだ。
構成・文/久保田 和馬