調布ロケの仕掛け人たちに聞く『花束みたいな恋をした』の撮影秘話!「嘘や作りものと感じない映画にしたい」
「観ていて興奮するのは多摩川沿いと御塔坂橋の交差点」(山口)
――みなさんそれぞれのお気に入りのスポットはありますか?
土井「僕はなかなか選べないですね、どこも思い入れが強すぎて(笑)」
山口「映画自体が好きなので、全部と言いたいところですが、観ていて興奮するのは、お問い合わせも多い多摩川沿いと御塔坂橋の交差点です。2人の物語が動き出すワクワクするシーンが、美しく映しだされていて大好きです」
遠藤「仕事として関わったシーンはもちろんですが、私は京王線沿線がホームグラウンドだったので、調布駅前のPARCOですね。僕が住んでいた時代の駅前とは、雰囲気がちょっと違いますけど」
土井「2015年から2020年の5年間に駅前は大きく変わっているんですよね」
遠藤「線路が地下を通っていますからね」
土井「そうなんです。なので、アングルをかなり絞っての撮影を試みました」
土井「調布PARCO前はほとんど変わっていないので、調布をよく知っている方も違和感なく、作品に没頭していただけるという自信があります」
遠藤「たしかに」
土井「調布には、日活調布撮影所、角川大映スタジオと撮影所も2つあるので、京王線沿線を知り尽くしたスタッフが多く、『5年前ってどんな感じだった?』という会話が、スタッフ同士だけでもできちゃうほどでした」
遠藤「明大前駅が出てきた瞬間に、青春時代がよみがえりました。終電を逃してあの距離を歩く2人の姿を観て、『すごいな』と思いながら冒頭から涙がちょちょ切れましたよ(笑)」
土井「実際に僕も歩いてみましたが、3時間半くらいかかったかな。麦と絹のように話をしながらだともっとかかるかもしれないですけど。あのルートを決める時も、京王線沿線を知り尽くしたスタッフたちが、『僕が麦だったら…』とそれぞれの思い入れを熱く語ったりして。その象徴の一つがつつじヶ丘駅ですね。終電が出たあと、ホームに誰もいないところをねらって撮影を行いました」
「映画の世界にだけでなく、現実にもその場所がある」(土井)
――熱い想いが詰まっている本作ですが、初めて観る方に向けてメッセージをいただけますか?また、映画を観てロケ地を巡り、また映画を観るというリピーターも増えると思うので、そういった方々にも一言お願いします!
遠藤「京王線沿線に思い入れがある方は、私のように涙がちょちょ切れるかと思います。愛すべき京王線沿線が登場する、いわば“沿線映画”とも言える本作をぜひ楽しんでください」
土井「“沿線映画”、おもしろいですね」
山口「すてきなお話のなかに、調布の様々なスポットが映っています。感染状況が落ち着いたら、ロケ地マップを片手に、調布市を訪れて“なりきり”をしながら楽しんでほしいです」
遠藤「“花束みたいな恋”をしてほしいですよね」
山口「そうですね。キュンキュンしてほしいです」
土井「ロケーションについて、脚本に正直に撮影できたのは、フィルムコミッションさんや東京ロケーションボックスさんのご協力があったからこそです。映画の世界にだけでなく、現実にもその場所がある。ロケ地マップなどをうまく活用して、ブラブラと街歩きをしていただけたら、こだわって撮影した甲斐があったと心から思えそうです。“正直に作る”を実現させてくれた皆さまに感謝しながら、作品のさらなるヒットを願うばかりです」
取材・文/タナカシノブ
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※新型コロナウイルス感染症拡大防止について
調布市内での感染拡大防止のため、ご紹介させていただいたロケ地へのご来訪にはお気をつけいただけますようよろしくお願いいたします。感染拡大防止へのご理解とご協力をお願い申し上げます。