20歳の山田杏奈と山口まゆ、『樹海村』主演の2人が原宿で語り合う、女優としての“現在地”
「樹海ロケのシーンでは『逃走したい!』と、冗談で言っていました(笑)」(山口)
劇中では、深い姉妹の絆を体現した2人。山田は演じた響について「霊が見えるけど、そのことを誰にも信じてもらえないんです。でも、全体の流れのなかで、お姉ちゃんとの関係が変わっていくし、危うい一面もある子だったから、すごくおもしろそうな役だなと思いました」と、やりがいを大いに感じた様子。
山口は「鳴は私と同じく妹がいる長女で、いろいろなことを自分自身で背負ってしまうという性格が自分と似ている感じがしたので、すごく役に入りやすかったです」と共通点を見出してアプローチをしていったとか。
樹海でのロケについて、山田が「私は霊感などがまったくないので、特に怖いことも起こらなかったのですが、すごくパワーを感じる場所ではありましたね」と言うと、山口も「確かに神聖な森という感じで、マイナスイオンをたくさん浴びた感覚がありました。また昼と夜とでは印象が違って、夜は街灯が一切ないから周りがなにも見えなかったので、そういう怖さはあるなと思いました」と語った。
また、「樹海での撮影は足場がものすごく悪いので、体力をすごく使うんです。1日終わるたびにへとへとになりました」という山田だが、樹海のシーン以外にも、霊に取り憑かれ、1人で部屋に閉じ込められるシーンではワイヤーアクションにもトライした。
「まるでアクション映画を撮っているみたいでした。だんだん天井に近づいていって、『え!』と驚くシーンなどは、ワイヤーをつけて、アクション部の方にスタントを教えてもらいながら撮ったんです。特に撮影後半は体力的にかなりきついシーンが多かったです」。
山口も樹海ロケのほか、洞窟でのシーンで、かなり体力を消耗したと述懐。
「洞窟のシーンはセットでしたが、リアル感を出すために、上からスタッフの方が泥を降らせてくれたんです。泥が口や目に入るので、毎回必ずシャワーを浴びて帰っていました。そのシーンを1週間ほど撮ったあとで、樹海ロケのシーンだったので『もう死ぬ!逃走したい』と、冗談で言っていました(笑)」。
「清水監督は、少年のように無邪気でおちゃめな方!」(山田)
初のホラー作品ということで、恐怖をどう演技で表現していくかについて、清水監督から様々なアドバイスをもらったという山田。
「私が『キャ~!ときれいに叫べないです』と言ったら、清水監督から『きれいな叫び声よりも、感情の延長で叫んでもらうことのほうが大事です』と言われ、勉強になりました」。
また、清水監督の人柄については「少年のように無邪気でおちゃめな方で、演出している以外の時間は、映画と全然関係のない話をされていました。現場の雰囲気はすごく良かったです」と言うと、山口も同じ感想を持ち「もっと追い込まれると思っていました」と相当覚悟をして臨んだが、むしろ監督からは和やかな雰囲気を感じたという。
「私は顔の表情についていろいろと演出してもらいました。普通のドラマや映画だと、そこまでオーバーなリアクションを取らなくてもいいけど、ホラーの場合はハッ!と驚く顔が、とても大切だと言われました。あるシーンで、心から湧きあがる恐ろしさや悲しさを表現しなければいけなかったけど、自分自身はすごく入り込み、涙も止まらなかったのに、それが顔に出なくて、何テイクも撮り直したりしました。本当にお芝居は難しいし、ホラー映画の場合は、また違う筋肉を使うんだなとも感じました」。
山田もうなずき、「ホラー映画の場合、怖く見せることがおもしろさにつながると、清水監督が教えてくれました。そこを求めているから、実際の感情よりも強めに表現しなければいけないことがすごく多くて、自分から湧きでる気持ちとの兼ね合いを心のなかで整理するのが大変でした」と告白。