20歳の山田杏奈と山口まゆ、『樹海村』主演の2人が原宿で語り合う、女優としての“現在地”

「どんどん課題も増えるけど、それを頑張ってクリアしていきたい」(山口)

本作は、2人のキャリアにとって勝負作の1作になったのは間違いない。20歳になった2人に、今後の抱負についても聞いてみた。山田が目標に掲げる先輩女優は、満島ひかりだ。
「映画やドラマを観る時、ああ、この俳優さんがやっているから、この役は魅力的に見えるんだなと感じることがありますが、自分もそういう役者さんになりたいです。そういう意味で満島さんがすごく好きで、満島さんの個性やお芝居にとても惹かれます。また、実際に満島さんの出演作もすべて大好きです」と熱っぽく語る。

山口は「私はここを目指したいという具体的な目標を決めるのがあまり得意じゃなくて、とにかく目の前にあるものに没頭していくタイプかなと思います」という。
「もちろん自分にしかできないお芝居ができるような女優さんになりたいですが、ほかの女優さんのマネをするというよりは、スキルを盗んで自分のものにしたいという想いが強いです。これからもっと演技のおもしろさを突き詰めていけたらなと思いますし、そのためには努力も必要で…。今回初めて主演もさせていただいたので、もっともっと演技の幅を広げていきたいです」。

小学校時代にミュージカル女優に憧れ、子役として何度か舞台も踏んだ山口は、中学に進学後は一時期、芸能界を離れたことがある。
「中学時代は反抗期で、勉強もせずに地元の子たちと遊んでいました。本当にだらけた生活を送っていたので、お母さんから『大丈夫なの？』と心配されたくらいです。でも、やっぱり小学生のころからやってきたお芝居は本当に好きで、またやりたいと思ったので、いまの事務所に入りました。結局私って、好きだからやりたいという単純な理由だけで、やり続けられるタイプなんだなとも思いました。やっているとどんどん課題も増えるんですが、それを頑張ってクリアしていきたいし、楽しいからやっているという感じです」。

まさに「好きこそものの上手なれ」だが、山田もそこは非常に共感できるという。彼女はもともと女優ではなく、モデルからキャリアをスタートさせている。
「私は最初から女優をやりたかったわけではないんです。でも、いまの事務所に入ってレッスンを受け始めてから、お芝居の楽しさを知り、いまに至りますが、楽しくなければ続けられなかったとも思っています。毎回違う作品に入るたびに、『この役がおもしろそう』と思えることが、お芝居のモチベーションにつながっていますし、完成した作品を観ると、また次の作品をやりたいなと思います。その連続なので、今後ももっともっと頑張っていきたいです」。

取材・文/山崎伸子