終末期治療と人間の尊厳に迫る『痛くない死に方』…東京都日野市が創出する重厚なドラマが心を揺さぶる

コラム

終末期治療と人間の尊厳に迫る『痛くない死に方』…東京都日野市が創出する重厚なドラマが心を揺さぶる

映画やテレビドラマに撮影可能なロケ地の情報を提供し、案内、調整も行う組織「東京ロケーションボックス」は、映像作品を通して東京の魅力を国内外に発信しながら、ロケ撮影で地域活性化を図ることを目的としている。その活動内容の紹介として、実際にサポートを受けた作品にフォーカスするこの企画。今回は、在宅医療の現場と一人の医者の成長を描いた人間ドラマ『痛くない死に方』(公開中)より、本作のロケ撮影をサポートした東京都日野市のフィルムコミッション、日野映像支援隊の取り組みに迫りたい。

河田が智美に治療方針を説明するシーンのメイキング
河田が智美に治療方針を説明するシーンのメイキング[c]「痛くない死に方」製作委員会

水と緑が豊かで、河川敷や土手、橋などが撮影によく使用される日野市。坂道も多いことから、坂道に面した一軒家や高台、公園などでのロケも人気があるとか。そんな日野市からの委託を受け、日野映像支援隊は映画やテレビドラマ、CMなどにロケ地情報の提供と案内、エキストラや弁当の紹介を行っている。今回は同組織の理事長である大貫格が明かしてくれた『痛くない死に方』撮影時のエピソードも交えながら、制作秘話を紹介する。

患者や家族の苦悩と在宅医の成長を描く『痛くない死に方』

在宅医療に従事する河田仁は、日々の仕事に追われ、妻からは離婚を突き付けられていた。そんな時、彼は痛みを伴う延命治療を拒否し、自宅での自然な死を望む一人の末期がん患者の担当医になるが、診断における認識の甘さから、患者を苦しませたまま死なせてしまう。悔恨の念に苛まれる河田は、在宅医の先輩である長野浩平に相談。患者やその家族と親身に向き合う長野の姿を目の当たりにした河田は、改めて在宅医としての在るべき姿を模索するのだった。

【写真を見る】柄本佑が壁にぶつかりながらも成長する在宅医を演じる
【写真を見る】柄本佑が壁にぶつかりながらも成長する在宅医を演じる[c]「痛くない死に方」製作委員会

在宅医療のスペシャリストであり、実際に兵庫県尼崎市で在宅医として活躍している長尾和宏のベストセラー「痛くない死に方」と「痛い在宅医」をモチーフに、『赤い玉、』(15)の鬼才、高橋伴明監督が映画化した本作。壁にぶつかりながらも在宅医の道を進む河田を柄本佑が演じ、長野役を私生活では柄本の義理の父親でもある奥田瑛二が務める本作には、坂井真紀や余貴美子、宇崎竜童といった実力派キャストも出演している。

終末治療や死に方の自由という難しいテーマを映像化した鬼才、高橋伴明監督
終末治療や死に方の自由という難しいテーマを映像化した鬼才、高橋伴明監督[c]「痛くない死に方」製作委員会

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