庵野秀明総監督、「エヴァ」初の舞台挨拶に登壇!「直接お礼を言う最後のチャンス」ラストカットの裏話も披露
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が4月11日に新宿バルト9で開催され、総監督の庵野秀明、監督の鶴巻和哉と前田真宏、シンジ役の緒方恵美が登壇。庵野総監督が「僕が『エヴァ』関連で表に出るのは、最初の制作発表の時と、1本目が間に合わなかった時の謝罪会見以来。今日はスタッフ代表として、皆さんに直接お礼を言う最後のチャンスだと思って出ることにしました」と挨拶。「本当にありがたい」と何度も観客にお礼を伝えながら、「ラストカットの実写にはものすごくお金をかけて、好きなものを入れている」と裏話も明かし、会場から大きな拍手を浴びた。
1995年にテレビシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」の放送が開始。庵野秀明が原作、脚本、総監督を務め、25年にわたり人気を拡大し続けてきた。本作は、2007年からスタートした「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの最新作にして完結編。4月7日発表時点で、累計興行収入は70億円、累計観客動員数は460万人を突破する大ヒットを記録している。この日の司会は、緒方が務めた。
庵野総監督は「(興行収入が)もう『:Q』を超えている。80(億円)ちょっといったら、『シン・ゴジラ』を超えてくれる。そこにいったら、僕のなかではレコードになります」と触れ、「100億円いってくれると、アニメ業界の活性化にいい。『鬼滅の刃』とかは、100億をねらって当然の作品。ジブリもそうで、宮さん(宮崎駿)のところも100億いくでしょう。でも『エヴァ』ってロボットアニメなんです」と冒頭から率直なコメントで会場の笑いを誘い、緒方が「ロボットアニメだったんですか!」と声を上げると、庵野総監督は「有名なロボットアニメで『ガンダム』というのがありますが、『ガンダム』ですら100はいっていない。ロボットアニメで100を目指せるというのは、本当にありがたいことだなと思っています。“こういうものでも100億円いく”というのは、アニメ業界に本当にいい」と力を込めていた。
さらに制作を終えた時の心境を聞かれると、「安堵です。終わった、終わった」と答えた庵野総監督。「感謝ばかりだった。お礼を言ってまわった。こういうところをNHKは撮っていない」と先日放送されて反響を呼んでいる「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル」について触れ、会場も大爆笑。番組では随所までこだわり抜く庵野総監督の姿が映しだされていたが、「各セクションに頭を下げて、『ありがとうございました』と言うのが僕の終わり」と語りながら、「無茶のように見えて、無茶はしていない。やれることしかやっていない。その辺を誤解しないでください」と呼びかけていた。