北村匠海らキャスティング裏話を一挙公開!原作愛に満ちたプロデューサーが『東リベ』を語り尽くす
ヘタレ男子の主人公が、線路に落ちたことをきっかけに10年前へタイムリープし、亡くなってしまった恋人の命を救うため奔走する『東京リベンジャーズ』(7月9日公開)。『映像研には手を出すな!』(20)や『映画 賭ケグルイ』(19)の英勉監督がメガホンを取り、北村匠海、吉沢亮ら、最旬俳優たちが集結し、公開前から大きな話題を呼んでいる。
「新宿スワン」などの和久井健が手掛ける原作コミック「東京卍リベンジャーズ」は、累計発行部数1000万部を超える人気作であり、北村をはじめ山田裕貴など、元々原作ファンだったというキャスト、スタッフも少なくない。
本作のプロデューサー、岡田翔太もその1人だ。超がつくほどの漫画好きである岡田は、連載開始直後から作品に「いままでにないもの」を感じた。そして、いちファンして「この作品を映画化したい」という純粋な想いから、プロジェクトを始動させたのだった。
MOVIE WALKER PRESS編集部は、撮影終了まで残すところ数日となった本作の撮影現場を訪れた。現場で迎えてくれたのは、東京卍會の特攻服をイメージしたデザインの、スタッフジャケットをまとった岡田。岡田の言葉には、限りない原作への愛と本作への熱意が滲み出ていた。
「監督に『僕ヤンキー大嫌いなんですよ』と言われて。『じゃあ大丈夫です』って返しました(笑)」
「原作の『東京卍リベンジャーズ』の連載が始まった時に、いままでにないものを感じたんです。多分3年ぐらい前かな…そのころはいわゆる“キラキラもの”と言われるラブコメが全盛期と言われていて。そういえば最近、なんか男臭いものがないなと思っていました」。岡田は、原作単行本4巻までの内容を読んで、「東京卍リベンジャーズ」映画化への可能性を見出したそう。
「あるシーンを読んで…これめちゃくちゃ映画的だなというか、一つの物語としてすごくいいなと思って。そこからずっと『この作品の映画を作りたい』と。当時は、小栗旬さん世代や、菅田将暉さん世代が活躍していて、その次の新しい世代でなにか代表作を作りたいなという想いがありました。もしかしたらこれがそれになるんじゃないかと、原作を読んで感じたんです」。同じ想いをキャスト陣も抱いている。誰もが本作に懸けていたのは、“世代としての代表作にする”という信念だった。北村も、「東京リベンジャーズは、直感ですが、世代を渡る橋になるなと思いました。」と語っていた。
そんな熱意を抱いた岡田は、当時面識のなかった英監督に電話をかけた。英監督と言えば、『ヒロイン失格』(15)など青春ラブコメを多く手掛け、先述したような“キラキラもの”の印象も強い。なぜヤンキー漫画の映画化を、英監督にオファーしたのか。
「僕と監督がお互い圧倒的なシンパシーを感じたのは、2人とも別に”ヤンキー”が好きじゃないって所なんです」と意外な答え。「『どんな話ですか』って監督に開口一番で聞かれて、『まあ一言で言うと、ヤンキー漫画なんですけど』って言ったら、『僕ヤンキー大嫌いなんですよ。怖いじゃないですか』と言われて。『僕もです。じゃあ大丈夫です』って返しました(笑)」。同じく原作ファンの山田も、その魅力を「生きていくうえで大切なことをタケミチが教えてくれます。絶対に諦めないことを」と語っているように、最大の魅力は主人公タケミチの“立ち向かう勇気”なのだ。
「この漫画の魅力は、主人公が本質的にはヤンキー気質じゃない等身大の男子で、それでもヤンキーに立ち向かうところ。男子って誰しも強い男に憧れるけど、大体みんなそうはなれないじゃないですか。でも守りたいものがあれば勇気も出るし、強いやつらに立ち向かっていける」。そして「原作はラブもあればアクションの要素もあって、タイムリープという、SFの要素も入ってるところが抜群に面白い。英監督は『トリガール!』のような気持ちの良い青春も描けるし、『賭ケグルイ』みたいにキレッキレの漫画原作実写化もできる。いろいろな要素の多い、今回の作品にぴったりだと思いました」と語る。