緊急事態宣言延長による東京都の休業要請を受け、全興連が声明「心が張り裂ける思い」
●5月7日発表の全国興行生活衛生同業組合連合会による声明文
映画を愛する皆様へ
声明文
全国興行生活衛生同業組合連合会
会長 佐々木 伸一
東京都興行生活衛生同業組合
理事長 菅野 信三
日頃より映画館に対してご支援を賜り、また、上映に際しては感染予防対策の順守徹底にご協力を賜り誠にありがとうございます。
さて、ご存じの通り東京都における5月7日付「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等」において、映画館が休業要請を受けております。皆様にご心配、ご迷惑をおかけし大変心苦しく思っております。
同日に内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室より発表された「事務連絡」における国が示す目安において、特措法施行令11条1項4号の「劇場等」はすべて、人数上限や収容率等の要件に沿った施設使用の要請等を行う施設として認定され、実際上の営業が許可されているところ、東京都においては、そのうち「映画館」「プラネタリウム」のみが、施設規模に応じた休業要請の対象と整理されていることは痛恨の極みです。
我々、全興連および都興組はコロナ禍の初期より、感染症専門医と協議のうえ、科学的知見に基づいたガイドラインを作成し、「大切なお客様に1人の感染もださせない」を合言葉にそれを順守徹底することで、現在まで映画館でのクラスターを発生することなく営業することができた自負があります。
もちろん、なによりもお客様の最大限のご協力、そもそもの興行場の厳しい換気基準があってこそではありますが、相対的な感染リスクの少なさは、政府あるいは各自治体からもご評価いただいているところです。
今回の非常に残念な措置を受けたことは理解することが難しく、東京都ご担当者に繰り返しご質問をさせていただきました。そのお答えは、「人流を抑えるための総合的判断」「感染症のリスク上の線引きではなく、人流抑制を目的としたもの」以上のものをお示しいただくことができず、我々の期待したお答えをいただくことはできませんでした。
傘下の事業者からも、「なぜ映画館だけが」「納得できる理由がない」といった声が多数挙がり、映画を愛する皆様からも非常に多くのご心配の声をいただきながら、我々も説明することが叶わず、日々苦慮しております。
また、東京都の映画館を閉めることは、実質上全国規模の映画の公開が不可能なこととなり、すでに明日には新しい基準が適用される12日が迫っていることから、多くの映画が中止や延期の判断に追い込まれつつあります。新作の映画が提供されなくなった他府県の映画館、関係する配給会社、製作会社、出演者やスタッフまでも苦境に立たされています。彼らの悲痛な叫びには心が張り裂ける思いです。
当然ながら、感染拡大防止に最大限の協力を行うことに関しては一点の疑問もなく、ただ今回の措置に合理的かつ公平なご説明をいただきたいと願うばかりです。それが、非常に重い私権の制限を我々に課す行政側の責務であるとも考えております。
今後は、いままで以上に東京都様に我々の感染対策を説明し、一日も早くご理解を賜る努力を続けてまいります。従来からの皆様のご愛顧、ご支援に感謝を申し上げるとともに、引き続きのご協力を何卒よろしくお願いいたします。
末筆ながら、日夜新型コロナウイルスと戦う医療関係者の皆様、感染終息に向けてご尽力されておられる皆様に心より御礼を申し上げます。
以上