「おかえりモネ」からマーベルまで、世界が認める才能・浅野忠信が『モータルコンバット』で真価を発揮!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「おかえりモネ」からマーベルまで、世界が認める才能・浅野忠信が『モータルコンバット』で真価を発揮!

コラム

「おかえりモネ」からマーベルまで、世界が認める才能・浅野忠信が『モータルコンバット』で真価を発揮!

マーベル・コミックの実写映画化『マイティ・ソー』シリーズ(11、13、17)でソーの仲間のアスガルドの戦士ホーガンになりきったと思ったら、現在放送中の連続テレビ小説「おかえりモネ」では東日本大震災で職を奪われ、酒浸りの日々を贈る元漁師のオヤジを人間味たっぷりに等身大で熱演!渡辺謙、真田広之の次の世代で、浅野忠信ほどワールドワイドに活躍し、多彩なキャラクターを自分のものにしている日本の俳優がほかにいないことは誰もが認めるところだろう。

【写真を見る】浅野演じるライデンは、ヨーダやガンダルフのような指導者的役割を担う
【写真を見る】浅野演じるライデンは、ヨーダやガンダルフのような指導者的役割を担う[c]2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

そんな浅野のハリウッド映画の最新出演作は、世界でもっとも売れた人気格闘ゲームのひとつを実写化した『モータルコンバット』(公開中)。太古より続く格闘トーナメントを舞台に人間界の戦士たちが魔界チームと戦う本作で、浅野はいまの彼にもっとも相応しい人間界の守護神ライデンを堂々と体現している。というのも、世界中から有能な戦士を見つけだし、彼らを鍛え上げて人間界の最強チームを作り上げようとするライデンは、『スター・ウォーズ』シリーズ(77〜)のヨーダ、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(01〜03)のガンダルフを想起させる指導者的なキャラ。世界中を飛び回り、後進たちの憧れや希望の存在になりつつある浅野の実像がそこに重なり、ライデンに説得力をもたらしているのだ。

岩井俊二や黒沢清のもとで存在感を示し、活躍の舞台は世界へ

だが、浅野忠信がここまで大きな存在になると誰が思っていただろう。それこそ、映画デビュー作『バタアシ金魚』(90)では主人公のカオル(筒井道隆)とヒロインを取り合うライバル高校水泳部の主将ウシを鋭い形相で体現していたが、いまと違って、身長が低くてどこか可愛らしい。ヘアメイクのスタッフがついた筒井と違い、自分の頭髪を助監督がバリカンで雑に丸刈りにしたことをず~っと恨んでいたことも、いまとなっては懐かしい。

浅野が一躍脚光を浴びたのは1995年、是枝裕和監督の劇場映画デビュー作『幻の光』で理由も分からぬまま突然死んでしまうヒロイン(江角マキコ)の夫を演じたとき。こちらを振り向いたその闇を抱えたような表情がいまなお脳裏に焼きついている人も少なくないだろうが、彼のここからの快進撃は周知の通りだ。

相米慎二監督の遺作となった『風花』で存在感を示した
相米慎二監督の遺作となった『風花』で存在感を示した[c]ビーワイルド/テレビ朝日/TOKYO FM

岩井俊二監督のドラマ「FRIED DRAGON FISH」(93)や『PiCNiC』(95)を皮切りに青山真治、石井聰亙(現・岳龍)、黒沢清など作家性の強い気鋭監督の話題作に次々に出演し、輝きを増していった。そして、自分が好きなミュージシャンの活動も当初は併行して行っていたが、2001年の相米慎二監督の遺作『風花』で酔っ払いの果ての万引き事件のせいで行く場をなくしたキャリア官僚を生々しく演じたあたりから、佇まいや雰囲気だけではない、芝居で見せる本格的な俳優へとシフト。

2007年、ロシアのモルゲイ・ボドロフ監督作『モンゴル』で主人公のチンギス・ハーンを必死に覚えたモンゴル語で演じ、2009年の根岸吉太郎監督作『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』では酒と女に溺れ、放蕩の限りを尽くす人気作家に。孤児になった少女(二階堂ふみ)を引き取る遠縁の養父の狂気を体現した2014年の熊切和嘉監督作『私の男』ではモスクワ国際映画祭最優秀男優賞を受賞するなど、演技派のポジションを徐々に確立していった。


浅野のハリウッド・デビュー作となった『マイティ・ソー』
浅野のハリウッド・デビュー作となった『マイティ・ソー』『マイティ・ソー』 ディズニープラスで配信中 [c] 2021 Marvel

そして、前記の『マイティ・ソー』で2011年に待望のハリウッド映画デビューを果たしたわけだが、振り返れば、『幻の光』の取材時には「英語を完全に自分のものにしてからハリウッドには行きたい」と公言していた浅野。そのときから密かに英会話を学び続け、その時に備えていたのかもしれない。その甲斐あって、本作で彼が演じた勇者ホーガンは、ほかのメンバーにもひけをとらない堂々の存在感で、オリジナルのコミック・ファンの信頼も勝ち取った。要は、ここでも説得力があったのだ。


ハリウッド王道が映画館に帰還!“アガる”魅力に迫る『モータルコンバット』特集
【PR】

関連作品

  • モータルコンバット

    3.4
    512
    ビデオゲーム「モータル・コンバット」シリーズに基づき地球の存亡をかけた戦いを描く
    Amazon Prime Video U-NEXT
  • ルパン三世

    3.7
    1377
    大泥棒と仲間たちの活躍を描くモンキー・パンチ原作の人気コミックを実写映画化
    Amazon Prime Video U-NEXT
  • マイティ・ソー

    4.2
    37
    ケネス・ブラナー監督がマーベルの人気コミックを実写映画化
    Amazon Prime Video Disney+