【今週の☆☆☆】新たな脅威に襲われる『クワイエット・プレイス』、狂気の母親と車椅子の娘の心理戦『RUN/ラン』など週末観るならこの3本!

コラム

【今週の☆☆☆】新たな脅威に襲われる『クワイエット・プレイス』、狂気の母親と車椅子の娘の心理戦『RUN/ラン』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今週は、音を立てたら“何か”がやってくるという緊迫の設定で大ヒットしたホラーのスリリングな続編、車椅子の娘を溺愛する母親の狂気が暴走するサイコ・スリラー、格闘ゲームを映画化したバトルアクションの、見ごたえがずっしり濃厚な3本!

より過酷な状況に陥った一家のサバイバル!…『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』(公開中)

父親を亡くした一家は、さらなる極限状況下で奔走する『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
父親を亡くした一家は、さらなる極限状況下で奔走する『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』[c] 2021 Paramount Pictures. All rights reserved. 

2018年のスマッシュヒットスリラー『クワイエット・プレイス』の続編が登場!“音を立てたら即死”という前作と同様の設定の下、母親と子どもたちのさらなる近未来サバイバルが繰り広げられる。前作は未知の外敵に対する一家の戦いに焦点を絞っていたが、今回は彼ら以外にも生存者がいる点がミソ。生存者の中には、利己的に生き延びようとする者もいれば、他者を助けようと手を差し伸べる者もいる。誰が敵で誰が味方かわからない、そんな状況のスリルは、前作にはなかった新味。より過酷な状況に陥ったからこそ、前作で親しんだ一家の人々を応援したくなる。子どもたちを守ろうとする主人公を演じたエミリー・ブラントの熱演ともども、目が離せない!(映画ライター・有馬楽)

主導権を握っていた母親に、娘が“行動に出る”姿がカタルシスを喚起!…『RUN/ラン』(公開中)

娘をコントロールしようとする母親の目的は?『RUN/ラン』
娘をコントロールしようとする母親の目的は?『RUN/ラン』[c]2020 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

行方不明の娘を探す父親をPCの画面を通して描いた『search/サーチ』のアニーシュ・チャガンティの新作は、車イスの少女の体験を描いたサイコ・スリラー。喘息や不整脈、筋肉機能不全など多くの疾患を抱えるクロエは、献身的な母とふたり暮らし。ある日ふとしたやりとりを機に、クロエは母の看護に疑惑を抱きはじめる。前作では「PCの中」という縛りを生かしていたが、今作では足が不自由で薬や吸引器が不可欠、つまり「主導権はつねに母」という設定でこれでもかとサスペンスを盛り上げる。中盤からは息苦しさも急加速していくが、手先が器用で豊富な知識を持つクロエが持てる能力をフルに生かし“行動に出る”姿でカタルシスを喚起する、緩急の付け方もおみごとだ。主要登場人物ふたりの本作、独特の間で母を演じた個性派女優サラ・ポールソンの存在感もさることながら、クロエ役の新人キーラ・アレンの演技も見どころ。実際に彼女は車イスで活動している女優だそうで、さりげないしぐさや街角での身のこなしなどナチュラルだが、それ以上に10代少女の戸惑いや不安をストレートに伝える表現力が豊か。今後の活躍も楽しみだ。(映画ライター・神武団四郎)


キレキレのアクションに、涙が出るほど感動!…『モータルコンバット』(公開中)

【写真を見る】激しすぎて目が離せない禁断のバトルが繰り広げられる『モータルコンバット』
【写真を見る】激しすぎて目が離せない禁断のバトルが繰り広げられる『モータルコンバット』[c]2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

90年代初めに発売された人気格闘ゲームシリーズ「モータルコンバット」が大迫力のバトルアクションとして映画化。太古より繰り広げられてきた格闘トーナメント“モータルコンバット”が開催され、魔界から侵略してくる刺客から世界を救うため、選ばれた戦士たちが立ち上がる。浅野忠信演じるライデンをはじめ、リュウ・カンやソニア・ブレイド、サブ・ゼロといったおなじみキャラが登場。特に復讐に燃えるスコーピオンを熱演する真田広之の存在感は抜群で、そのキレキレのアクションに「こういうのが観たかったんだ!」と涙が出るほど感動してしまった。一方、原作ゲームで忘れてはいけないのが、かつて子どもたちに与える影響をめぐってアメリカで裁判沙汰にまで発展してしまった、瀕死状態の対戦キャラクターに惨たらしい方法でトドメを刺す“フェイタリティ”。その残虐描写もしっかりと再現されており、特につばの部分が刃物になった山高帽を使用するクン・ラオのアクションは強烈で、思わず笑みがこぼれてしまう。ゲームのファンはもちろん、アクション好きな人、何もかも忘れてスッキリしたい人にも観てみてほしい!(ライター・平尾嘉浩)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!なお、緊急事態宣言下にある都道府県の劇場の一部では引き続き臨時休業を案内している。各劇場の状況を確認のうえ、足を運んでほしい。

構成/サンクレイオ翼

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