『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』がノベライズ化!劇中の西部劇「Bounty Law」もドラマ化か
現地時間6月29日、クエンティン・タランティーノ監督作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)のノベライズが発売になった。米ハーパー・コリンズ社から発行された映画と同名の小説は、1970年代のドラッグストアの回転棚に並んでいたような、量販板ペーパーバックの形式で発行され、ノベライズの予告編も作成されている。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、古き良き時代のハリウッド、男たちの友情、映画愛に満ちた他愛のない会話といったタランティーノ監督の美意識が詰まった作品だったが、まだまだ語り尽くせない物語があったようだ。ノベライズは映画と同じ世界線にあり映画と同じセリフも出てくるが、エピソードへの重点の置き方が異なるという。
映画のクライマックスのリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)による華麗な立ち振る舞いはほんの数行で片付けられ、代わりにクリフ・ブース(ブラッド・ピット)のバックストーリーが細かに語られる。例えば、ダルトンとブースが友人になった経緯や、闘犬用のピットブルを譲り受けたこと、ブースの妻の行方など、映画ではさらりと片付けられていたキャラクター設置が書かれている。
このノベライズがハードカバーではなく、軽く安いペーパーバック版で発売されているのは、映画『パルプ・フィクション』(94)のタイトルの由来となっている、ペーパーバッグで読むようなチープな小説を愛していたタランティーノらしい仕掛けだ。
また、タランティーノ監督は、ダルトンが劇中で演じた西部劇ドラマ「Bounty Law」のドラマ化を進めており、すでに5話分の脚本を書き上げ、演出も担当したいと発言している。ディカプリオ、ピットらの出演は決定していないが、キャラクター設定の詳細を執筆したノベライズはこのドラマシリーズ実現への伏線と言えるかもしれない。
文/平井伊都子