「台本が真っ黒に…」黒島結菜と平祐奈が明かした現場での苦労とは?
旬の若手俳優が集結している『サクラダリセット』(前篇3月25日、後篇5月13日公開)から、物語のキーとなる、黒島結菜と平祐奈をインタビュー。CMなどでもおなじみの人気女優2人から、意外な苦労話が聞けた。
『サクラダリセット』は、特殊能力者が暮らす街・咲良田を舞台にしたミステリー。黒島は世界を3日間まで巻き戻せる“リセット”の能力を持つ引っ込み思案な少女・春埼美空を、平は2年前にリセットの影響で死亡したミステリアスな少女・相麻菫を演じている。
「とにかく難しかった」と2人が口を揃えるのは、“リセット”や“記憶保持”といった、さまざまな能力が複雑に作用し合い、時系列を行き来しながら進んでいくストーリー展開。難解な物語ゆえに理解するのにかなり苦しんだようで…。
黒島「1人で理解するのは無理だと思ったので、マネージャーさんと一緒に確認しながら台本を読み進めていきました。でも、2人になろうが無理なものは無理で…(笑)」
平「本当に難しいよね」
黒島「衣装合わせの時に監督に声をかけて、各々の能力やシーンの時系列を台本が真っ黒になるまで徹底的に確認したんです。そのおかげで『あれ…?ここは記憶がなくなっているはずだから、このセリフじゃ変じゃない?』といった発見もありました」
平「私も監督にいろいろ教えてもらったんですけど、台本を読み進めていくうちにどんどん分からなくなっちゃって。撮影が進んで、やっと理解できたと思ったら、“リセット”の効果で時間が戻って、またこんがらがっちゃって…の繰り返し。すごく頭を使いました」
黒島「菫は物語の冒頭から死んでいる設定だから、ストーリーで描かれている時系列とは違う時系列にいる感じだよね。その分、台本に書かれていること以外の部分も考えなきゃいけないから大変だったと思う」
撮影時の苦労を分かち合う2人に、お互いの初対面の印象を振り返ってもらうと、その表情は一気に明るくなり、初共演だったとは思えない盛り上がりに。
平「結菜ちゃんはテレビや映画で見るショートカットのイメージがすごく強かったんです。でも、初めましての時、結菜ちゃんはロングヘアーのかつらを被っていて、ロングもすごいかわいいなって思いました!」
黒島「そんな、そんな…(照)」
平「私より2歳年上なんですけど、落ち着いているし、話し方も、横顔もきれい。ひとつひとつの指の動きまできれいなんですよ。見惚れちゃいました!」
黒島「そんなところまで見られていたなんて…(笑)。私はもともと祐奈ちゃんのファンだったので、共演が決まってとにかく嬉しくて。私、初対面の人に会う前に、良いイメージを持ち過ぎて『あれ…?』ってなるのが嫌なので、ハードルを下げておくんですよ。そこからの加点方式(笑)。でも、祐奈ちゃんの場合は初めから点数上げまくり!私はもうイチコロでした」
平「嬉しい!」
黒島「あとオシャレだなーって思いました。そういえば、同じジャージ持ってたよね?」
平「持ってた!結菜ちゃんもすごくオシャレなんですよ」
黒島「現場ではずっとジャージだったけどね(笑)」
平「何を着ても可愛いから!」
このやり取りが嘘であるかのように、劇中で2人は野村周平演じる浅井ケイをめぐる気まずい三角関係を繰り広げている。大人しい美空と、自由奔放な菫。性格が真逆なだけに、互いの演技に刺激された点もあったようだ。
黒島「美空はあまり喋らず、感情を表に出さない子なので、微妙な変化とか繊細さを表現しないといけないんです。一方で、菫はアクションがすごく大きい。美空とケイの周りをクルクル回って歩いたと思ったら、さりげなくケイのネクタイを直すシーンがあるんですけど、自然にやってのけるのがすごいなって。私はそういう役をやったことがないから、見ていて新鮮な気持ちになって、一度やってみたいなって思いました」
平「共演シーンで言ったら、後篇の春埼の家の場面が良いよね」
黒島「あのシーン一番好きかも!」
平「春埼が自宅で菫に対する思いを打ち明けるシーンがあるんですけど、結菜ちゃんの表情がすごくて、熱い思いがジワジワ伝わってくるんですよ。そこが見どころですね」
ひたむきな努力で、難しい役どころを見事に演じきっている黒島と平。インタビュー中に見せた初々しさからは想像がつかないような、彼女たちの堂々とした演技に注目してほしい。【取材・文/トライワークス】