「自分の声が本当に嫌いだった」仲里依紗が明かす、『時をかける少女』から始まった“声の仕事”の喜び|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「自分の声が本当に嫌いだった」仲里依紗が明かす、『時をかける少女』から始まった“声の仕事”の喜び

インタビュー

「自分の声が本当に嫌いだった」仲里依紗が明かす、『時をかける少女』から始まった“声の仕事”の喜び

7月からスタートしたTBS日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」での循環器外科医役も話題を呼び、YouTube公式チャンネル「仲里依紗です。」も好調な女優、仲里依紗。声優のスキルもお墨付きで『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』(公開中)では、ギャルの寺盛アゲハ役を好演しているが、実はもともと自分の声にコンプレックスを抱えていたとか。仲を直撃し、細田守監督に抜擢され、彼女の出世作となった『時をかける少女』(06)当時の思い出も振り返ってもらいつつ、声の仕事に感じる魅力までを語ってもらった。

カスカベ学園で様々なことを体験していくしんのすけたち
カスカベ学園で様々なことを体験していくしんのすけたち[c]臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2021

もともと「クレヨンしんちゃん」が大好きで、いまでは劇場版を含めて子どもと一緒に観ているという仲。好きな劇場版作品を聞くと、『映画クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険』(96)から『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(01)、『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』(19)まで、枚挙にいとまがない。

仲は、ギャルのアゲハ役を演じられて感激したそうだ
仲は、ギャルのアゲハ役を演じられて感激したそうだ[c]臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2021

「アゲハ役が決まった時、息子が一番うれしそうでした。しんちゃんが大好きな甥っ子にも報告したら『りーちゃん!』とすごく喜んでくれましたね。また、私はSNSで『ギャルになりたい』と言い続けてきたので、声だけでもギャルを演じられることに感激し、ギャルとしんちゃんへの想いを両方込められたので、まさに一石二鳥の役でした」。

「クレヨンしんちゃん」シリーズ初の学園ミステリーとなった本作。風間くんの誘いでしんのすけたちカスカベ防衛隊が、AIのシステムで管理された小中一貫のエリート校である天下統一カスカベ学園、通称“天カス学園”に1週間の体験入学をすることに。そこで謎の「吸ケツ鬼」にお尻に噛まれた生徒が、突然おバカになるという怪事件が多発するなか、風間くんもその犠牲者に。しんのすけたちは“カスカベ探偵倶楽部”として事件を捜査していく。

「もしも実写版をやるとしたら、絶対にみさえ役がいいです!」

【写真を見る】活躍の幅を広げる仲里依紗。夕暮れの都心をバックに行われたフォトシュート
【写真を見る】活躍の幅を広げる仲里依紗。夕暮れの都心をバックに行われたフォトシュート撮影/興梠真穂

最近「クレヨンしんちゃん」の映画を母親目線で観てしまうという仲は、今回みさえがしんちゃんを体験入学に送りだす際に「1週間分ね」とハグをするシーンに胸が熱くなったそうだ。「とてもみさえの気持ちがわかって、キュンとなりました。やはりみさえが一番等身大の自分に近い環境にいる人なので、すごく共感します。今回のみさえは、けっこう泣きますね。あるシーンでは号泣していて、ひろしが意外としっかりしているなと思いました。『~新婚旅行ハリケーン~』でもみさえの気持ちがすごくわかりましたが、もしも実写版をやるとしたら、絶対にみさえ役がいいです。しんちゃんから『妖怪ケツでかおばば』とか、言われてみたいです(笑)」。

本作は、しんのすけと風間くんとの友情を軸にした物語だ。エリート街道が約束される「天カス学園」に入学したい風間くんが、規則を破るしんのすけに怒りをぶつけるシーンが印象的だったという仲。「しんちゃんたち5人の友情に亀裂が入ってしまいますが、シリーズのファンとしては、いつも一緒にいてずっと仲良しでいる5人を見ていたいという想いがありつつ、しんちゃんもいつかは大人になっちゃうんだと思って、グッときました。また、風間くんがみさえのことを悪く言った時に、しんちゃんがみさえをかばうんですが、そこも感動したんです。しんちゃんって本当に根はいい子で、家族想いだなと改めて思いました」。


風間くんとしんのすけがあることをきっかけに大喧嘩する
風間くんとしんのすけがあることをきっかけに大喧嘩する[c]臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2021

また、「天カス学園」のAI管理システムについても、思うところがあったようだ。「職人さんなどの技術とか、絶対にAIには勝てないであろうものは、今後も残り続けるべきだという想いはあります。良くも悪くも、AIとは一線を引いておかないといけないとも思いました」。

そのことをつくづく痛感するのは、YouTubeで自身がアップした動画の評価を目にする時だとか。「私はYouTubeでよくAIに怒られるんですが、アップした動画について、視聴者がいつもと違うとか、人気がないですとか指摘されると、ちょっとモヤっとしますね。反対に再生回数が伸びた動画について『頑張りましたね』とか言われるんですけど、そういう意味ではいまの時代も、すでにAIに支配されている気がしますね」と笑う。

家族で「しんちゃん」を楽しんでいるという仲
家族で「しんちゃん」を楽しんでいるという仲撮影/興梠真穂

登録者数140万人を誇るYouTube公式チャンネル「仲里依紗です。」は、飾り気のない仲の素顔が見られる赤裸々トークや、息子「トカゲ」くんとのやりとり、趣味を突き詰めた動画などが、ファンの間で大好評だ。その人気の秘訣を聞くと「自分自身に偽りがないからじゃないでしょうか。自分をよく見せたいとはまったく思ってないし、自分のリアルな姿や声を録っているだけで、芸能人も普通だよ、という姿を見てもらえればいいかなと。また、YouTubeは自分でプロデュースして作ることができるので、女優業とは別物として自分も楽しめています」という。

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