「自分の声が本当に嫌いだった」仲里依紗が明かす、『時をかける少女』から始まった“声の仕事”の喜び - 2ページ目|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「自分の声が本当に嫌いだった」仲里依紗が明かす、『時をかける少女』から始まった“声の仕事”の喜び

インタビュー

「自分の声が本当に嫌いだった」仲里依紗が明かす、『時をかける少女』から始まった“声の仕事”の喜び

「『時をかける少女』以前は、自分の声が本当に嫌いでした」

出世作となった、『時をかける少女』での紺野真琴役との出会いを振り返った
出世作となった、『時をかける少女』での紺野真琴役との出会いを振り返った撮影/興梠真穂

本作をはじめ、2020年は『トロールズ ミュージック★パワー』の日本語吹替版でエッジの効いたバーブ女王役を演じたり、フジテレビのドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション』ではナレーションも務めるなど、いまや声の仕事も引っ張りだこの仲だが、「以前は自分の声が本当に嫌いでした」と告白。

「だから、最初に事務所から、細田(守)監督の『時をかける少女』のオーディションに行きなさいと言われた時に『えっ、この私が!?』と思ったんです。学校帰りにしぶしぶ受けに行ったら、細田さんがいらして。そこで私が台本の漢字を間違えて言ったら、大爆笑されました。これは絶対に落ちたと思ったのですが、そこで『合格!君ですね』と言われたんです。おそらく(仲が演じた)紺野真琴がそういうキャラクターだったから、ハマったのかなと思いました」。

仲が手にした初めての大役ということで、当時は相当なプレッシャーを感じたそうだ。「めちゃくちゃ不安でした。また、本当に申し訳なかったのですが、当時の私は『時かけ』についてよく知らなくて。調べてみたら原田知世さんが主演された映画を始め、何度も映像化されていることがわかりました。その後、映画が完成し、公開されたらすごいことになってしまって…本当にびっくりしました。いまでも、同い年の子からは『一番好きな作品です』と言われるし、海外の人からも『良かった』と言っていただけるのは本当にありがたいです」。


コンプレックスもあった声の仕事に、いまは喜びを感じているという
コンプレックスもあった声の仕事に、いまは喜びを感じているという[c]臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2021

さらに4年後、実写版『時をかける少女』(10)でも主演を務めた。「本当に『時かけ』とは縁があるなと思いました。自分にとって最初の思い出深い作品が声での出演作で、自分の声が評価されたことは本当にうれしかった。最近はナレーションのお仕事をやらせていただく機会も増えましたが、声だけの仕事には女優業とはまた違う魅力があって楽しいです」。

また、その分、声の仕事をやるたびに、気を引き締めるのだという。「やればやるほど、声優さんのへのリスペクトが増すばかりです。声帯も違うとは思いますが、どこからその声を出しているんだろう!と驚くことも多いし、スピーカーを通して聞くと、また違った感じで聞こえたりも。いまよりも声の仕事を深く知るためにも、もっともっと勉強をしていきたいです」。

俳優のみならず、“声優”仲里依紗の、さらなる活躍にも期待したい
俳優のみならず、“声優”仲里依紗の、さらなる活躍にも期待したい撮影/興梠真穂

取材・文/山崎伸子

関連作品