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巨匠・山田洋次監督も認めた天賦の才能!『キネマの神様』は菅田将暉の演技に注目

コラム

巨匠・山田洋次監督も認めた天賦の才能!『キネマの神様』は菅田将暉の演技に注目

日本映画史を彩る名作、傑作の数々を世に送りだしてきた松竹映画の100周年を記念して製作された、山田洋次監督の最新作『キネマの神様』が8月6日(金)より公開される。撮影の中断など幾多の困難を乗り越えて完成した本作で特に注目してほしいのは、この記念すべき作品のダブル主演という大役に抜擢された菅田将暉の天性の演技力だ。

松竹映画100周年記念作品『キネマの神様』でダブル主演を務める菅田将暉
松竹映画100周年記念作品『キネマの神様』でダブル主演を務める菅田将暉[c])2021「キネマの神様」製作委員会

原田マハの同名小説を原作にした本作。“日本映画の黄金時代”と呼ばれた時代に映画監督になる夢を追い、撮影所で助監督として働く青年ゴウ(菅田)。撮影に明け暮れる傍ら、食堂の娘の淑子(永野芽郁)や映写技師のテラシン(野田洋次郎)らと夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていたゴウだったが、大きな挫折をきっかけに夢を諦めてしまう。それから約50年の歳月が流れ、かつて自身が手掛けた「キネマの神様」の脚本が出てきたことをきっかけに、ゴウ(沢田研二)のなかで止まっていた夢がふたたび動き始めることに。

2009年に「仮面ライダーW」で俳優デビューを飾った菅田。日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した『共喰い』(13)で注目を集めると、「銀魂」シリーズなどの漫画原作のコミカルな作品から『アルキメデスの大戦』(19)のような超大作、さらには日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した『あゝ、荒野 前篇/後篇』(17)のようなミニシアター作品にいたるまで、幅広いジャンルの作品に出演。時代やキャラクターを問わず、与えられた役柄にはまりきる演技力が高く評価されてきた。


【写真を見る】貴重なメイキング写真を入手!菅田将暉が巨匠・山田洋次監督から学んだことは?
【写真を見る】貴重なメイキング写真を入手!菅田将暉が巨匠・山田洋次監督から学んだことは?[c])2021「キネマの神様」製作委員会

そんな菅田の演技について、これまで高倉健や三國連太郎、渥美清や三船敏郎といった名だたるスター俳優たちと仕事をしてきた山田監督は「彼が多くの作品に呼ばれる理由がよく理解できます」といたく感心した様子で語ったという。また、劇中で菅田が演じる青年時代のゴウには、山田監督が松竹撮影所で働き始めた頃の経験が反映されているという。「みんな『一生この仕事をしていくんだ』と腹を決めていました」と振り返る山田監督は、当時の空気感を菅田に語り、菅田はその会話の一つ一つから学び取るようにして役柄を作りあげていったのだとか。

「『東京物語』や小津安二郎監督のこと。また今回ゴウのモデルになっているという、監督のご友人で早くに亡くなった助監督の方のこと。みんなが監督になると思っていたし、すごく優秀で、でもプレイボーイで、女の子やお金にだらしなかったり…そういった話を聞きました」と撮影現場での山田監督とのやりとりを振り返る菅田。「常にお話をしてくださるから、その時やっているシーンに向き合っていくなかで連想するエピソードを話してくださる。その時間がすごく大事でしたね」と、日本映画界の巨匠との初タッグに確かな手応えを感じたようだ。

『キネマの神様』は8月6日(金)公開
『キネマの神様』は8月6日(金)公開[c])2021「キネマの神様」製作委員会

“映画”を愛しつづけ、挫折を味わいながらもひたむきに夢を追いかけていくゴウを、菅田はどのように演じているのか。時代を超えて映しだされる映画愛にあふれた物語と、それを作りだした山田監督ら映画を愛する者たちの夢の結晶と熱い想いを、是非とも本作から感じ取ってほしい。

文/久保田 和馬

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