いくつ覚えてる?NIKEのスニーカーと映画の“イイ関係”…『フォレスト・ガンプ』にBTTF、『スペース・プレイヤーズ』まで

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いくつ覚えてる?NIKEのスニーカーと映画の“イイ関係”…『フォレスト・ガンプ』にBTTF、『スペース・プレイヤーズ』まで

スウッシュ(Swoosh)と呼ばれるおなじみのロゴマーク――。そう、我らが愛するNIKEのシンボルだ。このアメリカのオレゴン州に拠点を置く、あらゆるカルチャーと密接に結びついた米国並びに世界を代表するスポーツブランドががっつりサポートした、最高にワクワクさせられる映画が公開となる。それがNBA最強の現役プレイヤーと讃えられるバスケットボール選手、レブロン・ジェームズが本人役で主演するワーナー・ブラザース映画『スペース・プレイヤーズ』(8月27日公開)だ。

NBAのスーパースター、レブロン・ジェームズが主演(『スペース・プレイヤーズ』)
NBAのスーパースター、レブロン・ジェームズが主演(『スペース・プレイヤーズ』)[c]2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

本作はあの伝説の名選手、マイケル・ジョーダン主演の1996年作品『スペース・ジャム』のリブート作である。冒頭シーンは1998年の米オハイオ州アクロン。少年時代のレブロン(スティーヴン・カンコレ)が履いているスニーカーは“キング・オブ・バッシュ”の異名を取るNIKEの名モデル「エア フォース1」だ。ホワイトのアッパーに鮮やかなブルーのスウッシュが映える。そこから全編にわたり、スニーカーやユニフォームにNIKEのロゴマークが踊るのだが、驚くべきは本作が実写と、ワーナー・ブラザース歴代の人気キャラクターたちが集結するアニメーションを融合した映像世界ということだ。

『スペース・ジャム』にも登場した「ルーニー・テューンズ」のバッグス・バニーやローラ・バニーらが揃うチームが、レブロン・ジェームズ率いる「テューン・スクワッド」。彼らは最強の敵チーム「グーン・スクワッド」と戦うのだが、このアニメキャラの選手たちが着用しているスニーカーやウェアもやはりNIKEである。

衣装を担当したメリッサ・ブルーニングはこう語る。
「レブロンやほかの現役選手やスタントマンのシューズはもちろん、モーション・キャプチャーの演者の分までNIKEが用意してくれました。モーション・キャプチャー用のシューズは専用の布で覆う必要がありますが、それも手配してくれたんです。NIKEとのコラボがなかったら、どうなっていたか分かりません。33~36センチのスニーカーを置いている店なんて、ほとんどありませんから!」

テレビアニメ「ルーニー・テューンズ」のキャラクターたちがレブロン・ジェームズとチームを組むことに(『スペース・プレイヤーズ』)
テレビアニメ「ルーニー・テューンズ」のキャラクターたちがレブロン・ジェームズとチームを組むことに(『スペース・プレイヤーズ』)[c]2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

このようにNIKEは“文化事業”――映画などとのコラボレーションにとりわけ寛容かつ協力的、そして積極的なメーカーだ。今回は2021年7月16日の『スペース・プレイヤーズ』全米公開に合わせて、チームユニフォームとスニーカーのコレクションも発売している。


有名な過去の逸話としては、こんなエピソードもある。そもそもマイケル・ジョーダンはアディダスのスニーカーの熱心な愛用者だった。しかし1984年6月にシカゴ・ブルズに入団したことを受け、NIKEはジョーダンと契約しようと猛アタック。そこから画期的なシグネチャーモデルである「エア ジョーダン」が誕生した。こうしてNIKEのロゴマークと共にバスケ界の頂点にのぼり詰めていくジョーダンの勇姿が、アイコニックな輝きを放ちながら中継映像などで全世界に広がっていった。この一例を見ても、NIKEは映画や映像メディアの影響力に関して、とりわけ感度の高いブランドだと言えるのだ。

『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』で監督と主演を務めたスパイク・リー
『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』で監督と主演を務めたスパイク・リー写真:EVERETT/アフロ

NIKEと映画の関係――と問われて誰もが真っ先に思い浮かべる代表的な人物が、映画監督のスパイク・リーである。彼がブルックリンを舞台に予算16万ドルで撮り上げたインディペンデント映画『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』(86)は、図らずもNIKEオマージュ映画の先駆的な一本として知られることになった。バスケットボールの大ファンでもあるリーが自ら演じたマーズというバイクメッセンジャーの青年は熱狂的な「エア ジョーダン」の愛用者。自宅の壁には同モデルのポスターまで貼っている。

昨年マイケル・ジョーダンが実際に着用した「エアジョーダン1ハイ」がオークションにかけられ大きな話題となった
昨年マイケル・ジョーダンが実際に着用した「エアジョーダン1ハイ」がオークションにかけられ大きな話題となった写真・SPLASH/アフロ

「『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』があんなに評判になるとは思いもよらなかったが、とにかくそれは現実に起こった。ある日突然、ぼくはナイキを顧客に持つポートランドの広告代理店、ワイデン&ケネディ社のクリエイティブディレクター、ジム・リズウォルドから電話をもらった」(「スパイク・リーのバスケットボール・ダイアリー」著/スパイク・リー、ラルフ・ワイリー 訳/桂ケイ TOKYO FM出版刊より)

この一本の電話をきっかけとして、リーは1987年に「エア ジョーダン」のコマーシャルを監督することになる。そのCM『MARS & MIKE』は『シーズ・ガッタ・ハヴ・イット』の続編もしくはスピンオフといった内容で、リー扮するマーズが、憧れのマイケル・ジョーダンと共演するといったものだった。

『ドゥ・ザ・ライト・シング』には「エア ジョーダン4セメント」が登場する
『ドゥ・ザ・ライト・シング』には「エア ジョーダン4セメント」が登場する写真:EVERETT/アフロ

そして1989年、リーはブラック・パワー・ムーヴィーの強烈な一撃『ドゥ・ザ・ライト・シング』を放ち(この傑作にも「エア ジョーダン4セメント」が登場する)、新しいカルチャーを牽引する時代の寵児となる。以降も当然のごとく、多くのリー作品にNIKEのロゴマークがあふれることになった。特にバスケットボールを題材とした『ラストゲーム』(98)――この映画にはマイケル・ジョーダンをはじめ、スコッティ・ピッペン、チャールズ・バークレー、レジー・ミラー、シャキール・オニールといったNBAの偉大な選手たちが本人役で登場する――で、主演のデンゼル・ワシントンが履いていた「エア ジョーダン 13 レトロ」は有名。本作の原題『HE GOT GAME』を受けて「ヒー・ガット・ゲーム」との愛称で呼ばれることになった。また劇中でレイ・アレンが着用した「エア フォームポジット プロ パール」も人気の高いレアモデルだ。

主演のデンゼル・ワシントンが「エア ジョーダン 13 レトロ」を履いていたバスケットボール映画『ラストゲーム』
主演のデンゼル・ワシントンが「エア ジョーダン 13 レトロ」を履いていたバスケットボール映画『ラストゲーム』写真:EVERETT/アフロ

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