【今週の☆☆☆】ファミリー再集結の『ワイルド・スピード』シリーズ最新作、沢田研二&菅田将暉主演『キネマの神様』など週末観るならこの3本!
MOVIE WALKER PRESSスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。今週は、ド派手なアクションと屈強の面々が大暴れするドラマも圧巻の“ワイスピ”シリーズ最新作、映画愛がぎゅっと詰め込まれた豪華キャストによるヒューマンドラマ、伊藤万理華が映画作りに燃える女子高生を演じる青春ドラマの、様々な感動と興奮が押し寄せる3本!
カムバックしたファミリーの危機と絆!今夏もっともアツいアクション…『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(公開中)
『ワイルド・スピード』シリーズが帰って来た! スピンオフ作品『~スーパーコンボ』を除けば4年ぶりの復活となる第9弾。不可能なミッションを可能にする主人公ドミニクと仲間たちが、今回はテロリストとなっていたドミニクの実弟とバトルを繰り広げる。地雷原を突っ切る冒頭のアクションシークエンスからして圧倒的だし、強力な電磁石装置を使った市街地でのカーチェイスも目を見張るばかり。死んだはずのキャラの劇的な復活もファンには嬉しい。3~6作目の監督を務め、キャラの関係性をまとめ上げたジャスティン・リン監督が復帰し、ドミニク・ファミリーの絆を引き締めたことでドラマはホットに盛り上がる。この夏もっともアツいアクションだ!(ライター・有馬楽)
映画とは?才能や幸せとは?という命題に踏み込む…『キネマの神様』(公開中)
原田マハの同名小説の映画化だが、沢田研二と菅田将暉が2人1役で演じた主人公ゴウの青年時代の設定を原作とは違う活動屋=映画人にしたところが本作のミソ。山田洋次監督が修業時代に過ごした活気に満ち溢れた大船撮影所を蘇らせ、映画人の息吹とともに、若き日の助監督のゴウと映写技師の親友・テラシン(野田洋二郎)との友情や恋を描きながら、映画とは何か?才能や幸せとは何なのか?という命題に踏み込んでいくから観る側もどんどん前のめりに。若き日のゴウと現代のゴウとのコントラストも絶妙だ。彼はなぜ映画への情熱を失い、酒とギャンブルに溺れるジジイになってしまったのか?それを体現する沢田研二の哀愁漂う芝居に、失われてしまった映画が全盛期だった時代の記憶が重なり、切なさと寂しさが込み上げてくる。そしてゴウが「東村山音頭」を唄う終盤のシーン…ここではまた別の寂しさと切なさが込み上げてくるに違いない。(ライター・イソガイマサト)
終始ワクワクしっぱなし。映画を愛し、映画に愛された1本…『サマーフィルムにのって』(公開中)
「リア充が映画、撮ってんじゃねー」という最もな叫びを内に秘め、なぜかキラキラ恋愛映画ばかりを撮る映画部で浮いた存在の時代劇オタクの女子高生、ハダシ。映画を撮ることを諦めかけていた彼女の前に突然、未来から理想の主演男優が現れる!時代を超えて愛される時代劇と話自体が時代を超えているSFの数々の名画への思いを盛り込み、リア充を馬鹿にしていたオタク女子がなんだかんだ恋と友情を謳歌する、これぞ青春映画。例え、自分たちがきらきらしていないと思っていても、10代は文句なくまぶしい。ユニークなキャラクター大集合の落ちこぼれに見えて精鋭集団を率いるハダシもまた、ぱっと見さえないが実はすごい。そんなヒロインを白目をむいて熱演する、伊藤万理華に魅せられ、最初から最後まで伴走せずにはいられない。特に時代劇愛がほとばしるラストシーンは爽快。「映画、すげー。物語、やべー」と終始ワクワクしっぱなしの、映画を愛し、映画に愛された1本。 (映画ライター・髙山亜紀)
週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!なお、緊急事態宣言下にある都道府県の劇場の一部では引き続き臨時休業を案内している。各劇場の状況を確認のうえ、足を運んでほしい。
構成/サンクレイオ翼