『夢判断、そして恐怖体験へ』青木涼と山岸芽生が語り合う“夢”「この世界は不思議に満ち満ちている」

インタビュー

『夢判断、そして恐怖体験へ』青木涼と山岸芽生が語り合う“夢”「この世界は不思議に満ち満ちている」

「映画づくりの奥深さを学び、映画というのは本当に総合芸術なんだと感じました」(青木)

ーープレッシャーを乗り越えながら大役を果たしたことで、本作を通して成長できたなと感じることがあれば教えてください。

青木「この世界は不思議に満ち満ちているんだという実感が自分のなかで芽生え、本作のテーマの一つである、“目に見えない存在”というものに対しての理解が深まったように感じています。また今回、主演という立場で映画づくりの一部始終を見させていただき、こんなにもたくさんの人々の血と汗と涙によって、一つの映画は出来上がっていくものなんだなということを知りました。例えば撮影期間には、朝早くから照明さんが入ってくださり、その日に撮影するシーンの光を作ってくれていました。2週間という期間でこの映画を撮りきるために、いろいろなスタッフさんに支えられて、主演として立つことができたと思っています。映画づくりの奥深さを学び、映画というのは本当に総合芸術なんだと感じられたことは、俳優としてもとても貴重でありがたい経験をさせていただいたなと思っています」

未知なる世界へと足を踏み入れていく2人
未知なる世界へと足を踏み入れていく2人[c]2021 ARI Production

山岸「劇中、葵がある想いに辿り着くまでには、いろいろな壁や学びがあったと思います。日常生活においてもあらゆる苦難、困難がありますが、そういったことを乗り越えた先には、自分のもう一つの可能性を見つけることができるものなんだなと感じることができました。葵は等身大の役で『そのままの山岸さんで』というお話が監督からありましたが、当初は“ありのままの自分”を見つけることも、実はとても難しかったんです。さらに人様の前で等身大の自分を見せていくということも難しくて、どうしても“うまくやろう”とか、“自分をよく見せよう”という意識が出てきてしまう部分もあって…。葵役を演じることを通して、そういった自我を手放し、心に磨きをかける貴重な機会をいただいたと思っています」

ーー最後に、お2人にとってのいまの“夢”を教えてください。

青木「まずはこの映画をたくさんの人に観ていただきたいということですね!」

山岸「私も同じです!そこは一致した想いですね!」

夢について語り合った青木涼と山岸芽生
夢について語り合った青木涼と山岸芽生


青木「海外でも賞をいただくことができましたが、改めて本作には世界に共通した“真実性”が含まれているんだなと感じています。世界中の人に本作を観ていただけたら、一つ夢が叶うかなと思っています。また俳優としての夢は、いろいろな人の人生を演じられるようになることです。作品ごとにそれぞれ描くテーマも違いますし、演じる人物の背負っているもの、見つめているものも違う。これからも、いろいろな人生に触れてみたいです。俳優というのはとても稀有な職業ですが、それだけにおもしろく、魅力的なお仕事です。自分の演技を通して、作品を観てくださる方々の人生がもっと豊かに、幸せになっていただけるような作品を届けられるよう、自分自身の人生も深めながら人間として成長していきたいなと思っています」

山岸「私はもともと歴史がすごく好きで、日本とほかのアジアの国々の歴史を学んできました。そんななか、双方をつなぐお仕事に就くことができたらうれしいなと思ったことが、女優を目指すきっかけになったんです。その夢を果たすためにはどんな手段があるのだろう…と考えた時に、芸術や芸能の世界を通して、自分が架け橋になることはできないだろうかと思いました。自分のなかの大きなビジョンとしては、アジアだけではなく、日本と全世界をつなぐようなお仕事ができたらとてもうれしいと思っています」

取材・文/成田 おり枝

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