『アイダよ、何処へ?』の女性監督が明かす、未来への希望。“戦後最悪の悲劇”を描いた理由とは|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『アイダよ、何処へ?』の女性監督が明かす、未来への希望。“戦後最悪の悲劇”を描いた理由とは

インタビュー

『アイダよ、何処へ?』の女性監督が明かす、未来への希望。“戦後最悪の悲劇”を描いた理由とは

1995年7月に数日間で8000人以上が殺害された「スレブレニツァの虐殺」の真実に迫り、第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた『アイダよ、何処へ?』が9月17日(金)より公開される。このたび本作を手掛けたヤスミラ・ジュバニッチ監督のインタビューと、メイキング写真が解禁された。

戦後ヨーロッパ最悪の悲劇といわれる「スレブレニツァの虐殺」を描く本作
戦後ヨーロッパ最悪の悲劇といわれる「スレブレニツァの虐殺」を描く本作[c] 2020 Deblokada / coop99 filmproduktion / Digital Cube / N279 / Razor Film / Extreme Emotions / Indie Prod / Tordenfilm / TRT / ZDF arte

戦後ヨーロッパで最悪の悲劇となった集団虐殺事件のなかで、家族を守ろうとした1人の女性の姿を描く本作。ボスニア紛争末期、スレブレニツァの街には敵対するセルビア人勢力が侵攻し、避難場所を求める2万人の市民が国連保護軍の施設に殺到した。その国連保護軍で通訳として働くアイダは、混乱のなかで夫と息子2人を守るためにあらゆる手を尽くそうと必死で奔走する。そんななか、国連施設のすぐ近くでボスニア人男性たちの処刑が始まるのを目撃してしまう…。


第56回ベルリン国際映画祭で最高賞にあたる金熊賞を受賞した『サラエボの花』(06)など、故郷ボスニアの紛争の傷跡を描きつづけているジュバニッチ監督は、自身が20歳の時に起きた悲劇を振り返り、「映画を作りたいと即座には思いつきませんでしたが、なにかしたいという気持ちは常に自分のなかにありました」と本作に着手した経緯を明かす。そして犠牲者の母親たちと出会い、苦しみと共に生き抜いてきた彼女たちの存在が制作の糧となったことを告白。

【写真を見る】金熊賞受賞経験のある女性監督ヤスミラ・ジュバニッチが故郷ボスニアの傷跡を描きつづける理由とは
【写真を見る】金熊賞受賞経験のある女性監督ヤスミラ・ジュバニッチが故郷ボスニアの傷跡を描きつづける理由とは[c] 2020 Deblokada / coop99 filmproduktion / Digital Cube / N279 / Razor Film / Extreme Emotions / Indie Prod / Tordenfilm / TRT / ZDF arte

またインタビューのなかではタイトルに込められた意味や、軍部や当局から反対されるなかで進めた撮影の舞台裏や、悲劇の現場となったスレブレニツァの街で行なった若者向けの上映後の反響などを語っていく。あわせて解禁されたメイキング写真には、主演を務めたヤスナ・ジュリチッチをはじめ、大勢のエキストラに演出しているジュバニッチ監督の姿などが収められている。

世界中でいまなお戦争や紛争が繰り返されている現在。その虚しさを強く訴えかけ、他民族との融和を願うジュバニッチ監督の未来への希望が込められた本作に、きっと誰もが胸を打たれることだろう。



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