「“テニプリ”は人生そのもの」。原作者・許斐剛と声優・皆川純子が「テニスの王子様」への思いを語る
「クールなリョーマが大切な人たちを命がけで守る。熱い部分を見せてくれる作品です」(許斐)
――皆川さんは、3DCGのリョーマを演じる際に意識したことはありますか?
皆川「いつも通りでしたね(笑)。ただ、台本を読んで感じたのは、『リョーマ、すごいしゃべるな』ということ(笑)。いつもは周りのキャラクターたちが説明してくれるから、彼が3行以上しゃべることってほとんどなかったんですよ。だから、こんなによく話すリョーマは新鮮でした。でもきっとリョーマは寡黙なわけじゃなくて、テニスを離れた日常の場面ではこんな感じなんじゃないかなって」
――リョーマはクールな面が強調されがちですが、熱い面もすごくありますよね。
許斐「熱いです。そして、困っている人がいたら放っておけないタイプです。『リョーマ!』は一人の少年が友達や仲間、大切な人たちを命がけで守る物語。リョーマのカッコよさを存分に感じてもらえるよう、ストーリーを考えていきました」
皆川「一見、クールなだけで、いままで現れてこなかった熱い部分が出てきたというか。何気ない優しさを見せてくれるシーンも多いですよね。私も新鮮に演じられたし、ファンの皆さんにとっても新鮮に映るんじゃないかなと思います」
――同級生の竜崎桜乃とのシーンも印象的でした。
許斐「桜乃とリョーマが敵に追われて廃墟の教会に逃げ込み、そこで時を過ごすシーンがあるのですが、そこは製作当初からすごくこだわっていて、神志那(弘志)監督に細かく演出について相談していました」
皆川「教会でのシーン、いいですよね!すごく甘酸っぱい気持ちになりました。桜乃ちゃんの新しいヘアスタイルも新鮮でしたね」
――『リョーマ!』は随所に挿入されたミュージカルのようなシーンやダンスも見どころですね。お気に入りの曲はありますか?
皆川「さっきお話に出てきた教会でのシーンで流れる『peace of mind~星の歌を聴きながら~』は、いままでに見たことのないリョーマが満載のシーンだったので印象に残っています。一番好きなのは『世界を敵に回しても』! この映画のクライマックスで流れる曲で、疾走感やすがすがしさにあふれていて大好きです」
許斐「『テニスの王子様』のキャラクターソングは900曲以上あるのですが、すごくバリエーションに富んでいます。今回の作中でもロックやバラード、ラップ…。多くの人の心に印象に残ってほしいので、いろんなジャンルの曲を作りました。『テニスの王子様』は、音楽とともに歩んできた作品でもあるので、作中の音楽をきっかけにして、この作品をもっと知ってもらえたらすごくいいなと思います」