コラム 2021/10/9 20:00

京アニが描く「Free！」、ファンが“沼”にハマる理由は？七瀬遙の成長物語をプレイバック！

世界の壁にぶつかる遙の挫折を描く第3期「Free!-Dive to the Future-」

第3期「Free!-Dive to the Future-」ではさらに翌年、高校を卒業して大学へ進学した遙と、彼の前に立ちはだかる強敵との出会いが描かれる。

『映画ハイ☆スピード！－Free! Starting Days－』(15)でも触れられた中学1年の頃に水泳部で出会い、ひと夏だけチームを組んだ郁弥と旭も登場するが、郁弥は個人メドレーで実績を残す孤高のスイマーとして知られ、遙たちとなかなか再会を果たすことができない。中学時代、心を通わせたはずの遙とのチームが突然解散したことで郁弥は心を閉ざし、リレーではなく一人ですべての種目をこなす個人メドレーに没頭するようになっていた。

遙は郁弥と対話するために「フリーしか泳がない」というポリシーを捨て、個人メドレーに挑む。大会で郁弥と遙は同じレースを泳ぎ、郁弥は遙の「あの頃と変わらない」自由な泳ぎを思い出し、自らが一人で強くなることに囚われていたと気づき、強さを取り戻す。これまで周囲から影響を与えられてきたり、無意識に誰かの心を動かしてきたシーンの多い遙が、自らの意志で郁弥の心を動かした。何事にも関心の薄かった高校時代の遙と比較すると、その差は歴然だ。

大学に進学した遙と郁弥の再会、海外の有望選手、アルベルトの実力に圧倒されながらも世界と戦う決意をするテレビアニメ第3期「Free!-Dive to the Future-」[c]おおじこうじ・京都アニメーション／岩鳶町後援会

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また、第3期では強敵である楓や、海外の有望な選手であるアルベルトも登場。遙の泳ぎを容易く凌駕する実力を見せる彼らに、これまで勝つことに執着してこなかった遙が大きな声を上げて悔しさを表し、「世界と戦う」と決意するシーンが特に印象的だ。

現在、この第3期の続編として、完全新作映画『劇場版 Free!-the Final Stroke-』前編が公開中。2022年春には後編の公開も控えているということで、ファンの皆さんにはぜひとも劇場で、世界を相手に戦うことを決めた遙のさらなる成長と、挑戦の続きを見届けていただきたい。

また、まだシリーズを未見という方も完結を控えるこの機会に、上記のようなアツい青春ドラマと、京都アニメーションの美麗な作画が織りなす、「Free!」のディープな“沼”にハマってみてはいかがだろうか。