『大魔神』4Kで観てもすごい!見事な“職人技”を堪能できる名作特撮
「ゴジラ」「ガメラ」「ウルトラ」シリーズ…日本の特撮作品には世界に誇るべき名作、名キャラクターたちがひしめいているが、忘れてはならない存在が「大魔神」だ。シリーズ3作が公開されたのは1966年と実に半世紀以上も前のことだが、現代でも知名度は抜群。海外でも「MAJIN」として親しまれているほど。作品を観たことがない人も、“埴輪のような柔和な表情が、怒ると鬼のような形相に変わる”という設定だけでもご存知なのではないだろうか?
無力な民に代わって悪を討つ!神の怒りを宿した『大魔神』に観客が熱狂
記念すべき第1作の『大魔神』は、戦国時代、策略により一国の主となって民を苦しめる領主に大魔神が天罰を下すお話。当時、大映京都撮影所は『釈迦』(61)など特撮を駆使した超大作を成功させ、日米合作映画『あしやからの飛行』(64)の特撮スペクタクルが高く評価されるなど、特撮技術が成熟期を迎えていた。そんななか、よきライバルである大映東京撮影所の『大怪獣ガメラ』(65)が大ヒット。そこで京都撮影所は得意の時代劇を生かした特撮映画を模索して、ユダヤ教の伝説の映画化『巨人ゴーレム』(37)をヒントに『大魔神』を製作した。
本シリーズの魅力は、なんといっても大魔神のキャラクターにある。普段は山間に佇む温和な顔の武神像が、神の怒りを宿した魔神となって大暴れ。しかも一度暴れ始めると、破壊の限りを尽くすまで止まらない。血走った目を見開いて、人類に天罰を下す姿は、いま見ても戦慄を覚えるほど。ちなみに大魔神の着ぐるみに入って演じた、元野球選手という異色の経歴を持つ俳優の橋本力は、「神様はまばたきしない」ことからまばたきをこらえ演じていた。盛大にホコリが舞い散るなかでの撮影で充血した目が大魔神の鬼の形相をさらに盛り上げ、トラウマ級の名シーンを生みだすことになったのだ。
大魔神=アラカツマは昔話や伝説ではなくこの映画のために創作されたキャラクターだが、埴輪武人像をベースにしたデザインや、無力な民に代わって悪を討つ勧善懲悪の物語は日本人にマッチ。「映画」という枠を超え、荒ぶる神として浸透していくことになる。子どもの味方として親しまれたガメラに対し、大魔神は大人も楽しめるエンタテインメントとして人気を獲得。次回作を要望する声が大映に殺到したため、同じ年のうちに2本の続編が製作されるという伝説を打ち立てた。ちなみに同じ大映の「ガメラ」は年1作ペースだった。
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