最新作で12作目!スラッシャーホラーの傑作『ハロウィン』のややこしすぎる分派の歴史
ダークなロブ・ゾンビ版、そして新たな視点が満載の最新版!
また2007年の『ハロウィン』、2009年の『ハロウィンII』はロブ・ゾンビ監督が、1作目から新たに作り直したリメイク版。ローリーやルーミス医師といったキャラクターや設定はしっかりと踏襲しながらも、マイケルの少年時代や母親の存在、そしてより過剰になった暴力描写などダークでオリジナリティも随所に見られる2作だった。
そして、2018年に再び新たなルートとして、1978年の1作目の40年後を描いた直接的な続編が『ハロウィン』(18)だ。殺戮の一夜のトラウマから、生まれた娘カレンにも幼い頃から銃の使い方を仕込み、対マイケル教育を叩き込んでいたローリー。しかしそれゆえに娘は12歳の時に保護され、その後、カレンの娘アリソンが生まれても関係は良好とは言い難いものだった。そんなある日、精神病院から刑務所へと移送される途中でマイケルが脱走し、ローリーは娘と孫娘を守るべく戦いに身を投じていく。
ローリーとマイケルの視点が途中で入れ替わるなど、ライバル的に描くような演出もユニークだった2018年版。その続編の『ハロウィン KILLS』は、ローリーの仕掛けたトラップを生き延びたマイケルが、再びハドンフィールドに恐怖をもたらしていく。
『ハロウィン KILLS』は、街の住民が主人公とも言える1作で、トミーやリンジーら78年の事件を生き延びたキャラクターたちも登場。マイケルに立ち向かう者や恐怖に耐えかねて暴徒と化す者など、これまでの作品では描かれなかった一般市民の視点も描かれているのが画期的だ。
デヴィッド・ゴードン・グリーンが監督&製作を務めたこの新ルートは三部作となっており、3作目の『Halloween Ends』が2022年にアメリカで公開予定。これまでの「ハロウィン」シリーズは、どのルートもどこか消化不良感が否めない終わり方だったので、この物語がどう完結していくのか、その出来栄えに期待したいところだ。
文/サンクレイオ翼