米倉涼子、「新聞記者」で初共演の綾野剛は「かっこよくてちょっと変わり者」斎藤工や森山未來らも登壇
2021年秋以降の作品ラインナップを一挙に発表する「Netflix Festival Japan 2021」<ライブアクションDay>が11月10日に開催された。日本アカデミー賞作品賞を受賞した映画を新たな物語として描くNetflixシリーズ「新聞記者」(2022年1月13日よりNetflix全世界独占配信)からは、米倉涼子、綾野剛、藤井道人監督が登壇。今回が初共演となった米倉と綾野。
お互いの印象を聞かれると、米倉は「噂ではかっこよくてちょっと変わり者(笑)。変わり者なんでしょうけれど、とにかくストイックで。今回は身体作りとかも頑張っている姿を見て『頑張っているな、えらいな』と思った。私、頑張り足りないのかなとか思いながら見ていました」とにっこり。綾野は「ただただ、すてきな人です。その一言に尽きます。本当に温かいんですよ、米倉さんって」と目尻を下げた。
近年の政治事件やスキャンダルに正面から切り込み、衝撃的な内容とスリリングな展開で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得した映画『新聞記者』。映画版に引き続き藤井道人が監督を務め、映画版とは違ったアプローチでさらに深く現代社会の問題を浮き彫りにしていく。“新聞業界の異端児”と呼ばれる記者・松田杏奈を米倉、理想を抱きつつも組織の論理に翻弄される若手官僚・村上真一役を綾野が演じている。
米倉は「ストーリーも役柄もとてもチャレンジングな作品。でもNetflixシリーズの大ファンでもあり、ぜひ参加させていただきたいという前向きな気持ちでした」と力強くコメント。実際の記者のもとを訪ね、取材をしながら役作りに挑んだという。綾野は「とても信頼している藤井監督からのオファー。断る理由はなかった。また主演が米倉さんと聞いていたので、ぜひご一緒したいという思いでした」と告白。「米倉さんの瞳はとても研ぎ澄まされていて『最後にその瞳のなかに映る景色はどうなってるんだろうな』というのを、自分自身も見たかった」と本作に臨むうえで米倉の存在も大きなものだったという。
“失敗しない医者”をはじめ、これまで数々の闘うヒロインを演じてきた米倉。「最初はもっと強いキャラクターを作っていこうと思っていた。強さを表に出していこうとしていた」ところ、監督から「米倉さん、違うんです。もっと声も小さく」と演出があったという。米倉は「私の構想はすべてぶち壊された」と笑いながら、「新しい役をいただけた。地味な闘うヒロインです」と新境地を切り開けたことに感謝していた。一方の綾野は「ベスト3に入るぐらい精神的にキツい役だった」と苦笑い。映画版には登場しなかった大学生役として横浜流星も参加しており、藤井監督は「彼とはもう何年も一緒に作品をつくっている。彼のベストアクトだと言っても過言ではないくらいすばらしい演技をしてくれた」と惚れ惚れとした思いを語っていた。
また同名コミックスを実写化した社会派コメディドラマ「ヒヤマケンタロウの妊娠」(2022年Netflix全世界独占配信)からは、斎藤工、上野樹里、箱田優子監督が登壇した。仕事第一優先でプレイボーイな桧山健太郎(斎藤)が、“自分が”妊娠することで今まで見えていなかった様々な社会の問題に直面し、パートナーの亜季(上野)と奮闘しながらも徐々に周囲の人とそして自分自身の無意識の偏見を変えていく姿をコミカルに描く本作。“妊夫”役を演じた斎藤は「社会派でありながら娯楽性を感じた。この軽やかさがあれば、なにかのきっかけや問題提起になるのではと思いました」とコミカルでありながら示唆に富んだ作品になっていると語る。
さらに斎藤は「フォルムの重みも忠実にしていただいた」とお腹の大きくなった姿について述懐。「ロケ中には、自粛太りというか、街行く方に不摂生の象徴のような目線で見られた」と太ったと勘違いされることも多かった様子。上野は「命を宿すことでそれぞれが成長していくところを楽しんで観ていただける作品」とコメント。「現場では『もっとこうしたほうがいいよね』ということを、誰もが『やめておこう』とはならずに『じゃあどうしようか』とどんどん(アイデアが)生まれていく時間がたくさんあった。いい経験がたくさんできた」と充実の表情を浮かべていた。