シロさん&ケンジたちの言葉が心に沁みる…「きのう何食べた?」名セリフまとめ!
「なんか歳とったら、変わった。この年になるとね、なんか、もう全部愛おしいの」(三谷まみ)
正月スペシャル2020の冒頭、史朗と賢二が、高級焼肉店で小日向とそのパートナーの航カップルと会食中、サプライズで現れたのは、史朗が昔から憧れている女優の三谷まみ。彼女は、いままでずっと避けてきた母親役に初めて挑戦した心境について、「なんか歳とったら、変わった。この歳になるとね、なんか、もう全部愛おしいの。それに私は私の母親を見てきているから、なんかやっぱり分かるのね。あ、あの時の母親、いまの私と同い年なんだって気づいちゃったりして。私、愛されてたんだなぁって。そうしたら、なんか母親役もできそうな気がしてきたの。歳とるって、悪くないですよね」と語り、史朗をおおいに感動させる。
エイジングは本シリーズにとって重要なテーマの一つ。歳をとることに対して、どうしてもネガティブなイメージばかりが強くなりがちだが、エレガントな三谷まみのセリフを通して、歳を重ねることは精神的な成熟をもたらしてくれるのだと改めて気づかされる。
「うまいもん食べた時に、それをまた一緒に食べたい、食べさせてあげたいと思う人が心の中にいる人間は、なにがあっても、やり直せます」(筧史朗)
これぞ「きのう何食べた?」の真髄!と言いたくなる史朗のセリフは、正月スペシャル2020の劇中、弁護士事務所で打ち合わせをする史朗と依頼人である藤沢印刷の社長が、出前のうな重を食べるシーンに登場する。
藤沢は経営する会社が事業不振に陥り、愛する家族に迷惑をかけないためにと、妻と離婚したばかり。遠慮がちに、うなぎを食べながら「やっぱり、うまいなぁ。なんだかんだ、食べてしまう。人間っていうのは、ダメなもんですね」と泣く彼に、史朗は「いいじゃないですか。うまいもんが目の前にあれば、食いますよ。それに、うまいもん食べた時に、それをまた一緒に食べたい、食べさせてあげたいと思う人が心の中にいる人間は、なにがあっても、やり直せます」と言って励ます。どんな人も勇気づけてくれる温かく力強い言葉だ。
「誰かのうれしいことってのは、やっぱうれしいじゃない」(矢吹賢二)
最後に、劇場版から紹介するのは賢二によるこのセリフ。史朗と賢二の家で、小日向と航と共に4人で食事をしている最中、佳代子の娘に子どもができたという知らせを聞いて、賢二は喜びを露わにする。一方、自分たちゲイは子どもを持つことができない、でも、子どもがいなくたって本人たちが幸せならそれでいいじゃないか、と複雑な思いを抱く航は素直に喜ぶことができない。そして、賢二はそんな航の気持ちも理解しつつ、「分かんないけどさ…。誰かのうれしいことってのは、やっぱうれしいじゃない」と言う。
人の幸せを我が事のように喜び、人の不幸を悲しむことができるのは、賢二の大きな魅力。愛情深くて、本当にやさしい彼のキャラクターがよく出ている名セリフに胸が熱くなる。
人生、愛、命、親子、友情、仕事など、あらゆるテーマを内包したハートウォーミングドラマ「きのう何食べた?」は、多くの人の心に響く名言の宝庫。個性豊かなキャラクターたちによる名セリフの数々は、これからのあなたの人生にもヒントを与えてくれるはず!
文/石塚圭子