奇妙な現象に翻弄される兄妹を描く『聖地X』、“濃さ”満点の新たなインド産アクション『囚人ディリ』など週末観るならこの3本!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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コラム 2021/11/20 18:30

奇妙な現象に翻弄される兄妹を描く『聖地X』、“濃さ”満点の新たなインド産アクション『囚人ディリ』など週末観るならこの3本!

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、入江悠監督が、劇団「イキウメ」の人気作を岡田将生川口春奈主演で映画化したホラー、犯罪組織と警察の戦いに巻き込まれていく囚人の姿を描いたインド映画の常識を覆すアクション作、音楽に振り回されつつも向きあっていく若者たちの葛藤を映しだした青春群像劇の心の訴えかける3本!

経験したことのないザワザワ感は必見…『聖地X』(公開中)

【写真を見る】要は、愛想を尽かし日本に置いてきたはずの夫と韓国で再会。しかし夫は様子がおかしく…(『聖地X』)
【写真を見る】要は、愛想を尽かし日本に置いてきたはずの夫と韓国で再会。しかし夫は様子がおかしく…(『聖地X』)[c]2021「聖地 X」製作委員会

2015年に上演された劇団イキウメの同名作を、2016年にもイキウメの作品『太陽』を映画化している、『AI崩壊』(20)の入江悠監督が舞台を韓国に移して実写化。要(川口春奈)は結婚生活に愛想をつかして兄の輝夫(岡田将生)が暮らす韓国の別荘に転がり込むが、そんな兄妹の前に記憶があやふやな要の夫にそっくりな男が現れる。一方、和食店の店長、忠(渋川清彦)の妻(山田真歩)は、ある日、謎の記憶喪失に見舞われる。そのふたつの現象に共通するのは、それが巨大な木と不気味な井戸がある和食店に足を踏み入れたときに始まったこと。しかも、そのおぞましい力は祈祷師にも祓えない。はたして、なにが起こっているのか?どうしてそれは起きるのか?通常の映画ならそこから真実の解明に向かって物語を展開させていくが、本作は科学で解明できない不穏な現象は不穏な現象として突き進んでいくところが新しくて面白い。そう、これは摩訶不思議なイキウメ・ワールドをじわじわ体感させることを目的とした新感覚のエンタテインメント。特に日本から要の本物らしき夫がやってくるところから、兄妹らが負の連鎖を断ち切るためにある作戦を決行するまでの怒涛のクライマックスは笑いと恐怖、衝撃が一気に押し寄せてくるからたまらない。経験したことのないザワザワ感を味わいたい人は必見!(ライター・イソガイマサト)

インド映画の濃さに慣れていても、これは素晴らしく濃い…『囚人ディリ』(公開中)

アクション映画3本分!?のインド産ノンストップアクションが登場(『囚人ディリ』)
アクション映画3本分!?のインド産ノンストップアクションが登場(『囚人ディリ』)[c]Dream Warrior Pictures [c]Vivekananda Pictures

濃い。そもそもインド映画の濃さに慣れていても、これは素晴らしく濃い。次々と出てくるオッサンキャラたちのパワフルな顔面に圧倒されっぱなしのノンストップクライムアクションである。主人公は、凶悪な犯罪組織vs警察特殊部隊の攻防に巻き込まれた、刑務所から出所したばかりの中年男。ただ孤児院にいる娘を訪ねたいだけだったのに、次から次へと絶体絶命の窮地が押し寄せて、ついに封印していた内なる野獣を解き放つ!公式がすでに『マッドマックス(おそらく「怒りのデス・ロード」)』(15)、『ジョン・カーペンターの要塞警察』(76)、『インファナル・アフェア』(03)を引用して紹介しているインド映画だが、なにかに似ていることは重要じゃない。確かに様々な映画を彷彿とさせる要素がてんこ盛りだが、いろんなネタをパクっても、強烈な味付けで自家薬籠中の物とするのがインド映画の得意技。ぶっちゃけ世界のほかのどの国も、これほどエネルギッシュでハイテンションな映画は作れないのではないか。「歌も踊りもないインド映画」と書かれていることも多いが、インド映画とは切っても切り離せない音楽的な興奮は全編に感じられ、むしろインドならではの興奮が詰まっている。最初から最後までアクセル踏みっぱなしのエンタメの洪水に、観客はもはや身を任せるしか選択肢はない。どうか覚悟を決めて映画館に走っていただきたい!(映画ライター・村山章)


主演の井之脇にこれほどふさわしい作品はない…『ミュジコフィリア』(公開中)

音楽に魅了された人たちの姿を描いた『ミュジコフィリア』
音楽に魅了された人たちの姿を描いた『ミュジコフィリア』[c]2021 musicophilia film partners [c]さそうあきら/双葉社

井之脇海の初主演映画『ミュジコフィリア』。『トウキョウソナタ』(08)から近作の『ONODA 一万夜を越えて』(21)までカンヌが注目する逸材でありながら、これまで主演映画がなかったことが意外だが、すべてがこの作品のためだったと思うと大いに納得できる。才能がありながら、家族の確執から音楽に嫌気がさしていた青年が現代音楽と出会い、再び音楽に魅了されていく物語。『トウキョウソナタ』で演技とともに見事なピアノ演奏を披露した井之脇にこれほどふさわしい作品はないだろう。しかも、彼自身、音楽一家に生まれ、音楽から離れたいと考えたこともあったとか。彼と異質な魅力を持ちながら、才能の差に苛まれてゆくライバル、山崎育三郎の存在も際立っている。井之脇、山崎、そしてギターと歌を披露している松本穂香がこだわったのは自分で演奏すること。音楽を続ける難しさ、それを上回る楽しさがスクリーンからしっかり伝わってくる。特に井之脇と松本が鴨川の中州で演奏する幻想的なシーンには心が踊る。(映画ライター・高山亜紀)

週末に映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/サンクレイオ翼

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  • ミュジコフィリア

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    32
    さそうあきら原作の同名コミックを井之脇海×松本穂香×山崎育三郎共演で映画化
  • 聖地X

    2.9
    89
    劇団「イキウメ」の同名舞台を入江悠監督と日本、韓国のスタッフがタッグを組み映画化