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前作メガヒットの要因は“家族”にあり!『ボス・ベイビー』シリーズ監督&プロデューサーが明かす制作秘話

インタビュー

前作メガヒットの要因は“家族”にあり!『ボス・ベイビー』シリーズ監督&プロデューサーが明かす制作秘話

「前作よりも大掛かりでクレイジーなアクションシーンを入れてみた」(ハーマン)

――ティムの娘がボス・レディだったという点が最高です。今回、女の子バージョンを登場させた理由について聞かせてください。

【写真を見る】とってもキュート!ティムの次女ティナが「ボス・レディ」に
【写真を見る】とってもキュート!ティムの次女ティナが「ボス・レディ」に[c]2020 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.

ハーマン「ミーティングで、ボス・ベイビーを女性バージョンにしてみたらどうなんだろう?という話になり、新しいキャラクターを、女性の視点から描くことにしました。狙ったのは、前作とのコントラストです。前作のボス・ベイビーは、ちょっと硬めのビジネスマンだったけど、今回のティナは、仕事と家庭のバランスを上手く保っています。ティナは、ポジティブな意味で自分がどうするべきかをしっかり考えて行動をとるタイプです」

マクグラス「そのコントラストによって生まれるコメディが最高に愉快です。ボス・ベイビーは、自分と敵対するライバルを潰してやりたいと思うけど、ティナは逆にライバルを抱きしめたいと思うタイプ。この映画で一番頭がいいのがティナです」

――忍者ベイビーも登場しますね。

マクグラス「今回は前作よりも大掛かりでクレイジーなアクションシーンを入れてみました。ネタバレになるので、あまり詳細は話せないけど、ボス・ベイビーたちが学校に潜入した際に、忍者ベイビーたちが“あるもの”を守っているという設定です。技術的に言うと、アクションはとてもハイレベルで、群衆シーンもこれまでにない野心的なものになりました」

ハーマン「忍者ベイビーがたくさん登場するシーンにめちゃくちゃ興奮します!」

ボス・レディの活躍に注目
ボス・レディの活躍に注目[c]2020 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.


――マクグラス監督は、前作では声優として「ペンギンズ」のリーダー役を演じられていましたが、今回も声優として参加されているのでしょうか?

マクグラス「監督業が忙しすぎるから、一応、声優業はリタイヤしたつもりです。でも、実は本作でもある役で、1行だけ台詞を言うシーンがあるんですが、見つけてもらえるかな(笑)」

――マクグラス監督は監督や声優以外に、アニメーター、原案者としても活躍されています。いろいろなスキルがあることが、監督の強みにつながっているのでは?

マクグラス「はい。これまでのキャリアでやってきたことすべてが、フィルムメーカーとしてのいまを支えてくれています。監督をするうえで、ほかのスタッフがやっている仕事をより理解できているんじゃないかと。例えば、アメリカのアニメーション映画はプレスコ(声を先に録る)が多いので、声優の場合、背景もなく、共演相手もいないなか、1人で演技をしなければいけない。その大変さを僕自身が体験しているので、どうすればいいのか、アドバイスができます」

「コロナ禍の制作では、自分たちが1つのチームだと感じることが一番大切だった」(ハーマン)

エリート校の校長にして、世界征服を企むアームストロング博士
エリート校の校長にして、世界征服を企むアームストロング博士[c]2020 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.

――コロナ禍のアニメーション制作は大変だったと思いますが、どのように乗り越えていかれたのですか?

マクグラス「ちょうどコロナ前に制作がスタートし、中盤でコロナ禍になり、スタッフたちは家からリモートで作業をすることになりました。でも、そういう時こそがジェフの腕の見せどころで、滞ることなく作業を進められる体制作りをしてくれたんです。この取材のような形で、ZOOMなどを使ってやりとりをしました。でも、幸いにもコロナ前の1年半は、みんなで一緒に作業ができていたので、すでにお互いにコミュニケーションが取れていたことが大きかったです。やはり最初の2か月間くらいは難しいなと思いましたが、本作は家族についての映画なので、ほとんどの人が家族と一緒に作れた作品になったことは、逆によかったのかなと」

――ハーマンさんがスタッフ陣を引っ張っていくうえで、心掛けていたことはありますか?

『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』は12月17日(金)より公開
『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』は12月17日(金)より公開[c]2020 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.

ハーマン「コミュニケーションですね。自分たちは1つのチームだと感じることが一番大切でした。また、トムが言ったように、コロナ前に関係性がすでに築けていたことはよかったです。オフィスに行けない状況で、みんながいろんなストレスを抱えていました。人によっては、私生活とのバランスを取るのが大変だった人もいましたし。でも、みんながお互いに支え合っていると感じられたことで、僕たちは乗り越えられたと思います。もちろん『ボス・ベイビー』という作品に対する愛情や想い入れも大きかったです」

――最後に、これから映画を観る日本のファンへ、メッセージをいただきたいです。

マクグラス「大スクリーンで観ていただきたいと思って作った映画です。やはり、映画を誰かと一緒に観るという行為は最高ですから。特にコメディの場合、人の笑い声が聞こえるので、ぜひ映画館で観ていただきたいです。また、1作目に比べて、もっとハートがある作品になっているので、ちょっと驚くかもしれないですが、楽しみにしていてください」

取材・文/山崎伸子

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