呪術師、呪詛師、呪術高専…『劇場版 呪術廻戦 0』鑑賞にも役立つ「呪術廻戦」用語まとめ
人間の負の感情から生まれた“呪い”を祓うために戦いを繰り広げる呪術師たちの活躍を描いた「呪術廻戦」。個性豊かなキャラクター同士の熱いドラマや、彼らの胸を打つ成長の姿にファンは急増し、「週刊少年ジャンプ」にて連載中の芥見下々による原作コミックは2021年12月25日発売の18巻でシリーズ累計発行部数6000万部を突破、2020年10月より放送されたテレビアニメはMBS/TBS深夜アニメ枠歴代1位の視聴率を獲得した。そしてついに、初の映画化となる『劇場版 呪術廻戦 0』が公開中だ。
劇場版で描かれるのは、既刊単行本のなかでも人気の高いストーリー「呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校」で、「呪術廻戦」本編の主人公である虎杖悠仁の先輩、乙骨憂太たちが1年生のころの話を描く前日譚。幼少期、結婚の約束を交わした幼なじみの祈本里香を、交通事故により目の前で失った乙骨は、呪いと化した彼女に憑りつかれ苦しんでいた。自身の死刑を望む彼の前にある日、呪いを祓うために呪いについて学ぶ学校「呪術高専」の教師、五条悟が現れ、乙骨を高専に編入させるが…。
全4回で短期集中連載され好評を博した本作は、週刊連載化のきっかけを作ったという意味でも「呪術廻戦」の原点と言える。エピソード0にあたるため、作品のファンはもちろん、劇場版で初めて「呪術廻戦」の世界に触れる人も楽しめる内容だ。ここでは、劇場版の理解をさらに深めるために役立つ、作中の用語を解説していく。
呪いは学ぶもの…“呪術師”たちを育む対呪い専門機関“呪術高専”
呪術師 じゅじゅつし
「呪いに対抗できるのは呪いだけ」であるため、呪術を用いて、呪いの祓除を生業とする者たち。呪術師に必要な最低限の素質は、呪いが見えること(例外あり)。呪術界においては、人口全体で見れば圧倒的少数派である呪術師たちが、多数派の普通の人々(非術師)を呪いから庇護することが最重要視されている。
呪術師には1級(準1級)、2級(準2級)、3級、4級の階級がある。1級のさらに上の特級は異常事態であるが、特級を冠する人間は4人いる。1級への昇級審査では、1級術師2名以上からの推薦を受けたあと、何度かの任務で適性を証明すると昇級が認められる。呪術師と非術師の分かれ目は、4級以下の呪霊を確実に祓えるかどうか。
呪術高専 じゅじゅつこうせん
若く強力な呪術師たちを育む、対呪い専門機関。日本には、東京都立呪術高等専門学校と京都府立呪術高等専門学校の2校しかない。表向きには私立の宗教系学校とされているが、費用は国と都、府が機密費として捻出。東京校は都内とは信じがたいほどの奥地にある。多くの呪術師が卒業後もここを活動拠点としており、教育だけでなく任務の斡旋やサポートも行うなど、“呪術界の要”と言われている。
入学時に学生に支給される制服は、希望があれば、ある程度のカスタムが可能。学生の多くは高専敷地内で寮生活を送る。呪術師家系出身者や秘めたる呪力ゆえにスカウトされた者など、学生によって入学経緯は様々で、呪術界の未来を担う人材が集結している。学費は一切免除、さらに学生たちは呪術師として実力に応じた任務を遂行し、報酬も支払われる。年に1回、東京校と京都校の選抜メンバーによる姉妹校交流会が開催される。
呪詛師 じゅそし
呪術を使って、呪霊から人々(非術師)を守る呪術師に対し、自身の欲望や快楽のために人々を呪い、殺害する者たち。呪術界では、呪術師の敵対勢力である彼らを呪詛師と総称し、警戒している。同じ境遇の者たちと疑似家族のように身を寄せ合ったり、同じ理想を持つ者たちが集ったりと、呪詛師同士が徒党を組むことも少なくない。
劇場版で活躍する個性的すぎる乙骨の同級生たち
呪具 じゅぐ
呪いの力が宿った特別な武器のこと。例えば、呪術師が使い込んで、呪力や術式を込めた武器をはじめ、強力な術師や呪霊を切り裂いた武器、連続殺人の凶器、おぞましい過程を経て制作された武具などがある。呪具なら呪力がない人間が使っても呪いに対抗でき、高度な呪具ほど高度な術式を帯びている。
呪骸 じゅがい
人形など、呪いを内に宿すことで自立可能となった無生物の総称。呪骸には人間の心臓の代わりに、核が内蔵されている。傀儡呪術学の第一人者として知られる呪術高専東京校の学長、夜蛾正道が生みだした最高傑作がパンダである。呪骸には本来感情がないはずだが、突然変異呪骸のパンダは人間と同じ感情を持って生まれてきた。
呪言 じゅごん
呪力を込めた言葉を相手に放つことで、言葉そのものが呪いの武器になるという言霊の術式。その効果は絶大で、例えば「爆(は)ぜろ」「捩(ねじ)れろ」と唱えただけで、実際に敵がつぶれるパワーを持ち、言葉が届きさえすれば即座に効果を発揮する。意思に関係なく発動してしまうため、呪言の使い手である狗巻棘は、「しゃけ」「おかか」などおにぎりの具で会話している。一方で、強い言葉を使うほど大きな反動が自分に返ってくるというリスクもあり、特にのどにダメージを受けるケースが多いため、のど薬は欠かせない。