ヘンリー王子、「喜びを感じられない仕事は辞めて」発言が物議を醸す
3月に、コーチングとメンタルヘルス面のサポートを提供する、「BetterUp」の最高インパクト責任者に就任したヘンリー王子。米ビジネス誌「Fast Company」でラウンドテーブルを囲み、関係者らとディスカッションを繰り広げたが、ヘンリー王子の持論がまたもや物議を醸す事態に。SNSを通じて一部からは非難の声も上がっているようだ。
ヘンリー王子は、「仕事に行き詰まって、喜びを感じられなくなったら、仕事を辞めていい。それで自分のメンタルヘルスや幸せに意識を向けることができるのは、祝福すべきことです。世界のメンタルヘルスへの認識はまだ始まったばかりです」と語り、「Daily Mail」などにはその時の様子が掲載されている。
自身が英王室という“仕事”を辞め、メンタルヘルスに意識を向けることで、大いに幸せになった様子のヘンリー王子。しかしこの発言について、「大豪邸に住み、親から莫大な遺産を引き継ぎ、王子という肩書があり、Netflixや『BetterUp』との契約により多大な資産を手にしている。特権階級の人間のアドバイスは、なにも参考にならない」「確かに仕事を辞めたら、そのことについてはストレスがなくなるだろう。でも、食べていくために働いている人間は、日々の生活が立ち行かなくなり、別の意味でメンタルヘルスの問題を抱えることになる」「仕事を辞めたあと、どうやって食べていくかもアドバイスしてくれないと意味がない」といった非難の声が寄せられている。
同日には、ウィリアム王子がApple Fitness+のポッドキャスト「Time To Walk」のなかで、2015年から2017年まで、民間企業の救急ヘリコプターの操縦士を務めていた際のトラウマを告白していた。「2017年、交通事故で大けがを負った当時5歳の男児を救助しました。とても気落ちして、トラウマになりました」と語り、同年に救急ヘリコプターの操縦士を辞めている。
トラウマになった事実を伝えただけで、「どうするべきか」という発言まではしなかったウィリアム王子だが、パトロンという形でメンタルヘルスに関する活動をサポートし、サポート団体などに相談するよう呼びかけるなど、人々に寄り添いながら問題を提起することで、メンタルヘルスの大切さを啓蒙し続けている。
文/JUNKO