ロザムンド・パイクが悪女を怪演!スクリーンで妖しい魅力を放つ“したたかな女”たち
ロザムンド・パイクの新たなる最高傑作との呼び声も高い『パーフェクト・ケア』が現在公開中だ。本作は、介護ケアを舞台とする新感覚のクライムサスペンス。パイクは高齢者から搾取する悪女を演じている。振り返ってみればこれまでも “ちょいワル”なヒロインたちが観る者を魅了してきた。そこで今回は、スクリーンで妖しい魅力を放つ “したたかな女たち”を紹介したい。
頭脳明晰な美人妻エイミー/『ゴーン・ガール』
まず1人目はデヴィッド・フィンチャー監督作『ゴーン・ガール』(14)の主人公であるエイミー。アメリカ人作家のギリアン・フリンによる大ヒットミステリーの映画化作品で、『パーフェクト・ケア』と同じくパイクがエイミーに扮している。
5回目の結婚記念日の朝、ダン夫妻の妻であるエイミーが失踪する。夫のニック (ベン・アフレック)は警察に通報。しかし、失踪前に夫婦が不仲だったことが発覚し、一転、ニックに妻殺害容疑がかかる。容姿端麗で、父親が手掛ける児童文学シリーズのモデルとして幼い頃から人気者だったエイミー。頭脳明晰な彼女はメディアを味方につけて浮気をしたニックを糾弾していく。彼女は果たして生きているのか?次第に明らかになる彼女の底知れぬ恐ろしさとともに、事件の真相を見届けよう。
計算高き策略家のロビイスト、エリザベス/『女神の見えざる手』
タフでしたたかな頭脳派ヒロインの筆頭とも言えるのが社会派サスペンス『女神の見えざる手』(16)のエリザベス・スローン。『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)で一躍スターダムを駆け上がって以来、強い女性を演じ続けているチェシカ・チャスティンの代表作となる“戦うヒロイン”だ。
政府を陰で動かす戦略のプロであるロビイスト。その“女神”として君臨していたエリザベスは、モラルや常識の壁を越えた奇策で数々の勝利をもぎとってきた。しかし銃規制法案を廃案にさせるロビー活動をきっぱりと拒絶した彼女に巨大な権力が襲い掛かる。真っ赤なルージュとブランド服に身を包んだ彼女が、天才的なひらめきと決断力を発揮して罠を蹴散らす姿は最高にかっこいい。アメリカ全土を敵に回した彼女の逆転劇は必見だ。
強靭な精神力と妖艶さを併せ持つ女社長ミシェル/『エル ELLE』
そして演者であるイザベル・ユペール含めて注目してもらいたいのが『エル ELLE』(16)のミシェル。本作はポール・ヴァーホーヴェン監督によるエロス薫る異色のサスペンスだ。
ゲーム会社を率いる女社長のミシェルが自宅に潜んでいた暴漢に襲われ、ほどなく彼女の元に不審なメールが届くようになる。不埒な行いをした犯人が知り合いであることを確信したミシェルは強靭な精神力で独自に調査を進めていくが、次第にアブノーマルな本性を開花させていく。多くの女優たちがしり込みしたという奇抜なミシェルを、「フランスの至宝」といわれる大女優のユペールが一切の躊躇なく演じきった。その妖艶さと大胆さには誰しも度肝を抜かれることだろう。
鋭い観察眼を持つ専業主婦ステファニーと野心家エミリー/『シンプル・フェイバー』
『シンプル・フェイバー』(18)では、シングルマザーのステファニーと野心家のキャリア女性エミリーというタイプの異なるタフな女性が登場する。原作はダーシー・ベルの処女小説「ささやかな頼み」で、出版前に映画化が決まったことでも話題となった作品だ。「ピッチ・パーフェクト」シリーズのアナ・ケンドリックがステファニー、「ゴシップガール」のブレイク・ライブリーがエミリーに扮している。
料理や育児情報を発信するビデオブロガーでもあるステファニーと洗練された美貌と才能を武器にファッション業界でバリバリと働くエミリーはママ友だち。ある時エミリーが息子をステファニーに預けたまま姿を消してしまい、ステファニーは鋭い観察眼で事件の裏に隠された真実を突き止めていく。両極端にいる女性2人の愛憎劇と交差する運命にご注目あれ。