ケネス・ブラナーの自伝的映画『ベルファスト』ゴールデン・グローブ賞、放送映画批評家協会賞で最多ノミネート!映画賞をにぎわす注目作を一挙紹介
現地時間12月13日に、ハリウッド外国人記者協会が選ぶ第79回ゴールデン・グローブ賞と、放送映画批評家協会が選ぶ第27回放送映画批評家協会賞(Critics Choice Awards)のノミネーションが発表になった。どちらの賞も、現地時間2022年1月9日に授賞式を計画している。
『ベルファスト』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が映画部門最多ノミネート
早朝にロサンゼルスのホテルからラッパーのスヌープ・ドッグが発表した第79回ゴールデン・グローブ賞のノミネーションのうち、映画部門の最多ノミネーションはケネス・ブラナーが監督も務める自伝的作品『ベルファスト』(2022年3月公開)と『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(公開中)が7部門で並んだ。次点には『ドント・ルック・アップ』(公開中)、『ドリームプラン』(2022年2月23日公開)、『Licorice Pizza』『ウエスト・サイド・ストーリー』(2022年2月11日公開)が各4部門で並んでいる。
ドラマ部門では、「キング・オブ・メディア」の5部門、「ザ・モーニングショー」「テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく」が4部門。スタジオ別では、映画部門でNetflixが17部門でノミネーションを獲得し、次点のMGMの9部門から大きく差をつけた。テレビ部門ではHBO/HBO Maxの15部門、次いでhuluとNetflixが各10部門となった。
非英語長編映画賞(以前の外国語映画賞)では、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(公開中)が、アスガー・ファルハディ監督のフランス=イラン合作映画『A Hero(英題)』、ペドロ・アルモドバル監督のスペイン映画『Parallel Mothers(英題)』、パオロ・ソレンティーノ監督のイタリア映画『Hand of God 神の手が触れた日』(公開中)、今年7月のカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したユホ・クオスマネン監督のフィンランド=ロシア=ドイツ合作映画『Compartment No.6(英題)』と並び、ノミネート作5本に入っている。また、Netflixオリジナルの韓国ドラマ「イカゲーム」は、ドラマ部門作品賞とイ・ジョンジェの主演男優賞、そしてオ・ヨンスが助演男優賞にそれぞれノミネートされている。
ゴールデン・グローブ賞を主催するハリウッド外国人記者協会は、会員の多様性、組織の包摂性や不透明な運営体質などが問われ、組織再編を行っている最中。以前はアカデミー賞前哨戦として各スタジオが重要視していた賞だが、NBCが2022年度の授賞式生中継を中止することを決定し、現時点で授賞式の開催形式は未発表となっている。
放送映画批評家協会賞が次代“アカデミー賞前哨戦”に?
一方の第27回放送映画批評家協会賞でも、先に発表になったテレビドラマ部門に続いて映画部門の各賞ノミネーションが発表になった。こちらは『ベルファスト』と『ウエスト・サイド・ストーリー』が各11部門ノミネートで並び、『DUNE/デューン 砂の惑星』(公開中)と『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の10部門、『Licorice Pizza』『ナイトメア・アリー』(2022年3月25日公開)が9部門と続く。
放送映画批評家賞には撮影賞や美術賞などのスタッフ賞、アンサンブル演技賞や新人俳優賞、コメディ映画賞といった特殊なカテゴリーもある。ゴールデン・グローブ賞同様に『ドライブ・マイ・カー』が外国語映画賞にノミネートされている。ハリウッド外国人記者協会とゴールデン・グローブ賞のスキャンダルを受け、“アカデミー賞前哨戦”の冠を手に入れたい放送映画批評家協会は、授賞式をゴールデン・グローブ賞と同じ現地時間2022年1月9日に設定。同賞の授賞式はロサンゼルスのホテルで行われ、全米に生中継される。