スクリーンで軽快かつ艶やかに輝く、“俳優”松本潤。『花より男子』『ナラタージュ』から『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』まで

コラム

スクリーンで軽快かつ艶やかに輝く、“俳優”松本潤。『花より男子』『ナラタージュ』から『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』まで

2016年、2018年に好評を博したドラマシリーズ「99.9%-刑事専門弁護士-」がついにスクリーンに登場。映画『99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE』(公開中)はタイトル通り、“99.9%”逆転不可能と称される日本の刑事事件において、残り“0.1%の事実”を追い求める型破りな弁護士、深山大翔が主人公。演じる松本潤にとっては13作目の映画出演であり、アイドルグループ、嵐の活動休止以来、初の単独主演作となる。そこで、スクリーンにおける俳優としての松本潤にフォーカスしてみたい。

艶やかな男らしさを炸裂…『東京タワー』(04)

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【写真を見る】江國香織の同名小説を、中園ミホと源孝志の脚本で映像化した『東京タワー』『東京タワー』 発売中 DVD2,980円(税込) 発売元:バップ [c]2004東京タワー製作委員会

まず紹介したいのが、一癖あるイケメン路線に“キャラ変”した松本が挑んだ映画が直木賞作家、江國香織の恋愛小説を原作にした映画『東京タワー』。本作で、2002年のドラマ「ごくせん」や2003年版「きみはペット」など、コミック原作のドラマなどで見られた“お笑い担当”を返上する形となった。年齢を超えて命懸けの不倫の恋に落ちる主演カップルをV6の岡田准一と黒木瞳が演じ、松本は岡田扮する小島透の友人で大学生の大原耕二役。退屈な日常にうんざりしながらバイトをする大原は、満たされない日常への渇きからナンパで引っかけた平凡な主婦と体を重ねていたが…。


松本にとってはかなり際どい濡れ場に初挑戦。しかも、主婦を演じるのは『赤目四十八瀧心中未遂』(03)と『ヴァイブレータ』(03)で繊細にして捨て身の演技を披露し、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したばかりの寺島しのぶ。大胆なヌードも話題になった彼女だけに、ラブホテルの浴室で煮え切らない年下男を挑発するシーンは圧巻。対する松本もそれに応え、最初は斜に構えていた青年が脆さを露呈する姿を痛々しいまでに体現している。もちろん、その磨きのかかった美貌にも目を奪われる。


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