黒沢清×清水崇、“Jホラー”師弟対談が実現!伝説の不条理ホラー『回路』はどのように生まれた?
日本初のホラー映画専門コンペティションとして開催され、12月26日に第1回の授賞式を終えた「日本ホラー映画大賞」。その関連イベントとなる「3夜連続名作ホラー上映&トークイベント」の第1夜が27日にEJアニメシアター新宿にて行われ、黒沢清監督の『回路』(01)が上映。上映前のトークイベントに黒沢清監督と、日本ホラー映画大賞で選考委員長を務めた清水崇監督が登壇した。
インターネットを始めたばかりの大学生の主人公が、奇妙なサイトにアクセスしたことをきっかけに奇妙で不条理な恐怖に見舞われていく姿を描いた『回路』は、第54回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され国際批評家連盟賞を受賞し、黒沢の名を世界的に知らしめた記念碑的作品。2006年にはホラー映画界の巨匠ウェス・クレイブンの脚本のもと、『パルス』のタイトルでハリウッドリメイクもされている。
清水のリクエストによって実現した今回の上映。トークイベントでは、黒沢がかつて映画美学校で教鞭を執っていた時代の教え子である清水との思い出話や、『回路』の着想の原点や撮影の舞台裏。さらに世界を沸かせる黒沢流の“幽霊表現”のこだわりについて語られていった。
「清水が撮ったものを観て、衝撃が走った」(黒沢)
黒沢「もう20数年くらいまで、映画美学校という映画の学校をやった時の第1期にいたのが清水でした。人に教えるというのは初めてだったのですが、まず最初に3分くらいの短編を撮ってもらい、それを私や高橋洋ら何人かで点数を付けていきました。そこで清水が撮ったものを観て衝撃が走り、全員が満点以上を付けるほど。その頃からすでに恐ろしいショットを撮れていて、めちゃくちゃ怖かったんです」
清水「『呪怨』のまんまでしたからね」
黒沢「元ネタというか、『呪怨』に至るまでの映像的なアイデアが、すでにその3分ほどの映像に満ち満ちていて、とにかくびっくりしたのを覚えています」
清水「ありがとうございます」