初共演の柄本佑&伊藤沙莉がアニメ愛を語り合う!『シチリアを征服したクマ王国の物語』独占インタビュー

インタビュー

初共演の柄本佑&伊藤沙莉がアニメ愛を語り合う!『シチリアを征服したクマ王国の物語』独占インタビュー

2019年のカンヌ国際映画祭のある視点部門やアヌシー国際映画祭など、世界各国の映画祭で上映され、話題を呼んだアニメーション映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』が公開中。20世紀イタリア文学を代表する作家ディーノ・ブッツァーティが生んだ、半世紀以上にわたって読み継がれてきた童話を、フランス在住のイタリア人アーティスト、ロレンツォ・マトッティがアニメ化。幻想的な色彩とユーモラスなキャラクターたちが織りなす、生命力あふれるアニメーション映画に仕上がり、フランスの公開時には「華やかな色彩が詰まった、宝石のような映像詩」と絶賛された。

イタリアの名作児童文学をアニメ映画化した『シチリアを征服したクマ王国の物語』
イタリアの名作児童文学をアニメ映画化した『シチリアを征服したクマ王国の物語』[c]2019 PRIMA LINEA PRODUCTIONS - PATHÉ FILMS - FRANCE 3 CINÉMA - INDIGO FILM

本作の吹替え声優を担当したのは俳優の柄本佑伊藤沙莉。柄本は語り部となる旅芸人のジェデオン、魔術師デ・アンブロジスという2役に、そして伊藤はジェデオンの助手アルメリーナ、クマの王の息子トニオの幼少期、劇中に登場する大人トニオの友人の少女アルメリーナという3役にそれぞれ挑んでいる。クマと人間が共生した世界という寓話を通じて、自分自身のアイデンディを見つめること、異なる文化との共存、そして共生の難しさと大切さを描きだしているが、数多くの作品に出演しながらも、意外にも本作が初共演となる柄本と伊藤は、この詩情あふれる物語になにを感じたのか。そのアフレコを振り返ると共に、声の仕事に挑む思い、好きなアニメなどについて語り合った。

「伊藤さんといままで共演していなかったのは不思議な感じ」(柄本)

柄本が演じる語り部のジェデオンと伊藤が演じる助手アルメリーナの語りで物語の幕を開ける
柄本が演じる語り部のジェデオンと伊藤が演じる助手アルメリーナの語りで物語の幕を開ける[c]2019 PRIMA LINEA PRODUCTIONS - PATHÉ FILMS - FRANCE 3 CINÉMA - INDIGO FILM

――お2人、実は今回が初共演となるそうですね。

柄本「伊藤さんは柄本家との共演はどうなの?」
 
伊藤「(弟の)時生さんは『全裸監督』など、よく一緒にさせていただきました。(父親の)明さんはCMだけですね」

柄本「そうか! CMで共演してたね」

――今回共演してみてどうでしたか?

柄本「今回は吹替えですので、お芝居のやりとりがちょっと特殊な状態でしたからね」

伊藤「そう。掛け合いをできたのがテストの時だけだったんですよ」

柄本「でもテストしかしてないんですけど、一緒に声のやりとりをしている感じでは、非常に合うものがあるのかなという印象がありました。伊藤さんとは昔から知っていたし、たまたま同じスタジオにいた時にごあいさつさせてもらったこともありましたから。ただ時生との共演が多いから、いままで共演していなかったのは不思議な感じですね」

【写真を見る】初共演の柄本佑&伊藤沙莉に独占インタビュー!好きなアニメまで熱く語る2人を撮り下ろし
【写真を見る】初共演の柄本佑&伊藤沙莉に独占インタビュー!好きなアニメまで熱く語る2人を撮り下ろし撮影/黒羽 政士

伊藤「佑さんはいつもフランクに話してくださるので、会えば会うほど、時生さんのお兄ちゃんだな!という感じがします」

柄本「そりゃそうだ。アニキだもん(笑)」

伊藤「優しいし、おもしろい家族だなと思います」

柄本「時生は本当に年下の役者さんの面倒見がいいんですよ。俺は逆に面倒見はまったくよくないから。そういった意味では時生のほうが非常にちゃんとしてる。人をあまり疲れさせないし。だからすごく偉いなと思います。さっきから時生の話しかしてないね(笑)」


「“みんな仲良くしよう”ということだけでも、子どもたちに伝わると思う」(伊藤)

――映画をご覧になった感想はいかがでした?

柄本「とにかく老若男女、楽しめるアニメファンタジーだなと思いましたね。キャラクターや色がかわいいんですよ。なんと言っても伊藤さんの演じていらっしゃる女の子がいちいちチャーミングで、素直で、明るいんですよ。だからちょっと物語的にダークなところがあっても、そういったところで救われる感じがあって。単純におもしろいなと思いました」

ファンタジックな世界観に老若男女を引き込むストーリー
ファンタジックな世界観に老若男女を引き込むストーリー[c]2019 PRIMA LINEA PRODUCTIONS - PATHÉ FILMS - FRANCE 3 CINÉMA - INDIGO FILM

伊藤「私もめちゃくちゃかわいいと思いました。お話もおもしろいですし、考え方によっては結構残酷な内容だったりもするけど、それをすごくポップに描いています。だからこそ伝わるものがあるのかなと感じましたし、とても優しい映画だなと思いました」

――大人だけではなく、子どもでもささるストーリーですね。

伊藤「物語に入りやすかったですね。絵のタッチもそうですけど、柔らかい感じがするから、きっと子どもたちが観ても、なにかが届くんじゃないかなと。内容を深く考えようと思ったらいろいろなテーマはあると思いますけど、もっと単純に、“みんな仲良くしよう”ということだけでも伝わると思うから。そういうところがすごくいいなと思いました」

クマのレオンス王と息子のトニオ、親子の絆も本作の見どころの一つ
クマのレオンス王と息子のトニオ、親子の絆も本作の見どころの一つ[c]2019 PRIMA LINEA PRODUCTIONS - PATHÉ FILMS - FRANCE 3 CINÉMA - INDIGO FILM

柄本「わりと小さい子どものほうがそのテーマをすんなり受け入れますよね。子どもたちのほうが柔軟じゃないですか、難しく考えずに。だからたくさんのお子さんに観てもらいたいですね」

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