『フレンチ・ディスパッチ』と一緒に楽しもう!ディズニープラスでウェス・アンダーソンの世界をイッキ見
豪華キャストによる絶妙なアンサンブルと独特の色彩設計や画面構図、おしゃれな音楽やプロダクションデザインで世界中の映画ファンから熱烈に愛されているウェス・アンダーソン監督。その長編監督第10作となる『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』がいよいよ1月28日より公開中だ。
20世紀フランスの架空の街にあるアメリカの地方紙「フレンチ・ディスパッチ」の編集部を舞台に、個性豊かな登場人物たちが織りなす3つのエピソードが展開していく本作。ウェス作品ファンはもちろんのこと、これまでウェス作品をほとんど観たことがないという人でも、その世界観に魅了されることだろう。それでも作品を重ねるごとに“ウェス・アンダーソン・ワールド”とも言われる独自の世界観を更新しつづけるウェス監督だけに、過去の作品をチェックしていれば最新作をより一層楽しめること間違いなしだ。
昨年秋にサービスを拡大したディズニーの定額制公式動画配信サービス「ディズニープラス」では、それまでの「ディズニー」「ピクサー」「マーベル」「スター・ウォーズ」「ナショナル ジオグラフィック」に新たに「スター」が追加。20世紀スタジオやサーチライト・ピクチャーズなどが手掛けた良質なドラマや映画、ここでしか観られないオリジナル作品が見放題で楽しめるようになり、ウェス・アンダーソン作品も6作品が視聴可能に。『フレンチ・ディスパッチ』の公開を記念した「ウェス・アンダーソン監督作イッキ見キャンペーン」も実施中だ。そこで本稿では、その6作品を注目ポイントと共に紹介していきたい。
『天才マックスの世界』(98)
群を抜いた才能の持ち主なのに落第を繰り返す風変わりな15歳の少年マックス・フィッシャーを主人公にした、ウェス監督初期の傑作。教師への恋心から次々と奇想天外な行動に出るシュールさや、2008年に「エンターテインメント・ウィークリー」が発表した「映画サウンドトラックベスト25」で2位にランクインするほど音楽通を唸らされた選曲など、ウェス作品を構成する重要な要素がすでに確立している。
主人公を演じたジェイソン・シュワルツマンは、以後もウェス作品の常連俳優として出演を果たすだけにとどまらず、『犬ヶ島』(18)や『フレンチ・ディスパッチ』では原案としても参加。また本作以降のウェスの長編作品すべてに出演しているビル・マーレイは、マックスをサポートする社長役を演じてゴールデン・グローブ賞の助演男優賞にノミネートされた。