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『フレンチ・ディスパッチ』と一緒に楽しもう!ディズニープラスでウェス・アンダーソンの世界をイッキ見

コラム

『フレンチ・ディスパッチ』と一緒に楽しもう!ディズニープラスでウェス・アンダーソンの世界をイッキ見

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(01)

ウェス作品として日本で最初に劇場公開された『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』
ウェス作品として日本で最初に劇場公開された『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』[c] 2022 Disneyディズニープラスで配信中

かつて天才ファミリーと呼ばれながらも家族関係が崩壊してしまったテネンバウムズ一家が、ふたたび集結して家族の絆を取り戻そうとする姿を描くホームコメディ。『フレンチ・コネクション』(71)の名優ジーン・ハックマンが一家の長を演じ、ベン・スティラーやグウィネス・パルトローらキャストの名前を見ているだけでも大満足できるウェス映画の醍醐味はここから本格化していく。

長編デビュー作『アンソニーのハッピー・モーテル』(96)の前身である短編映画『Bottle Rocket』(92)から本作まで、ウェスとオーウェン・ウィルソンが共同で脚本を執筆しており、本作でついにアカデミー賞の脚本賞にノミネート。一躍ウェスの名が世界的に知られるきっかけとなり、日本で劇場公開された初めてのウェス作品となった。

『ライフ・アクアティック』(04)

ビル・マーレイが主演!海を舞台にしたユニークなアドベンチャー『ライフ・アクアティック』
ビル・マーレイが主演!海を舞台にしたユニークなアドベンチャー『ライフ・アクアティック』『ライフ・アクアティック』[c] 2022 Disneyディズニープラスで配信中

常連のビル・マーレイを主演に配し、海洋探検家でドキュメンタリー監督の主人公スティーヴ・ズィスーが、かつて仲間を食い殺した幻のジャガーザメへの復讐を誓って個性的すぎるクルーとともに航海&新作撮影へと繰りだす姿を描いたアドベンチャーコメディ。登場人物たちが赤いニット帽をかぶっているのは、ウェスが幼少期から憧れてきた実在の海洋探検家兼ドキュメンタリー監督ジャック=イヴ・クストーへのオマージュ。

本作でウェスは、後に『マリッジ・ストーリー』(19)で注目を集めるノア・バームバックと初タッグを組み共同で脚本を執筆。ちなみに直後に制作されたバームバック監督作の『イカとクジラ』(05)でウェスは製作として参加している。後々のウェス作品へとつながるストップモーション・アニメーションが用いられた海中シーンは、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』(93)などで知られるヘンリー・セリックが手掛けたもの。

『ダージリン急行』(07)

インドを舞台に3兄弟の珍道中を描く『ダージリン急行』
インドを舞台に3兄弟の珍道中を描く『ダージリン急行』『ダージリン急行』[c]2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.ディズニープラスで配信中

父親の死をきっかけに疎遠となっていた3人兄弟が集まり、絆を取り戻そうとインドを列車で旅する珍道中を描いたロードムービー。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』に近しいプロットとアメリカを飛びだしたロケーション、オーウェン・ウィルソンに『天才マックスの世界』以来の参加となったジェイソン・シュワルツマン、そして本作からウェス作品の常連となるエイドリアン・ブロディの掛け合いが魅力。

前日譚が描かれた短編『ホテル・シュヴァリエ』(07)にも出演したシュワルツマンは、ウェスとローマン・コッポラと3人で脚本も執筆。また、狭小で規則的な列車内の空間を生かした画面設計は、『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)やブロディが主演を務めたH&Mのコマーシャルとして制作された短編『Come Together: A Fashion Picture in Motion』(16)でさらにブラッシュアップされていく。オフビートでささやかな作品ながら、ウェスのキャリアにおいては重要な転換点となる作品といえよう。

■『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン
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