“355”の意味って？華やかな女性スパイ集団が活躍する『355』を最高に楽しむポイントを紹介！

ジェシカ・チャステインをはじめ、国際色豊かな実力派キャストが集結！

世界を救うヒロインたちを演じた豪華キャストも本作の大きな見どころだ。メイスに扮する本作の“首謀者”であるチャステインは、『ヘルプ　心がつなぐストーリー』(11)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)でアカデミー賞にノミネートされた演技派で(それぞれ助演女優賞と主演女優賞)、本作では主演に加えプロデュースも手掛けている。マリー役のダイアン・クルーガーはドイツ出身で、『トロイ』(04)や『イングロリアス・バスターズ』(09)といったハリウッド映画でもおなじみ。『女は二度決断する』(17)ではカンヌ国際映画祭の女優賞を受賞した。ハディージャを演じたルピタ・ニョンゴは『それでも夜は明ける』(13)でアカデミー助演女優賞を受賞し、以後『ブラックパンサー』(18)、『アス』(19)などの話題作に相次いで出演してきた。

グラシエラに扮するペネロペ・クルスは、本国スペインで『ボルベール＜帰郷＞』(06)や『抱擁のかけら』(09)といったペドロ・アルモドバル作品のほか多くの傑作に出演して世界的に名を馳せ、『パイレーツ・オブ・カリビアン　生命の泉』(11)などハリウッドでも活躍。また、リンに扮する中国の名花ファン・ビンビンは『墨攻』(06)、『新宿インシデント』(09)など中国製映画で名を上げ、『X-MEN：フューチャー＆パスト』(14)でアメリカにも進出した人気アクトレス。世界中の実力派女優たちがアクションの分野で国境を越えてガッチリとスクラムを組む、それだけでも本作は快挙と言えるだろう。

実在した謎の女性エージェント“355”とは？

ちなみに、タイトルの「355」とは諜報の世界で活躍する女性を指すコードネーム。由来はアメリカ独立戦争の時代に、ジョージ・ワシントン合衆国大統領の下で働いていた女性諜報員のコードネームで、彼女が駆使した数字の暗号は戦時のアメリカで大きな成果を上げたという。そんな多大な功績を上げたにもかかわらず、この女性の正体は歴史上のミステリーであり、いまなお本名も素性も判明していない。

歴史の陰には、このような名もなき女性の知られざる貢献が数多く秘められているのだ。「彼女たちのパワーや強さ、成し遂げたことを語りたい。このタイトルは、彼女たちに“ありがとう”と語っているの」と、チャステインは説明する。アクション映画の分野でも、女性が長い間軽視されてきた歴史がある。しかし、もう黙ってはいない。『355』は勇気ある女性たちの現在を見据えた痛快エンタテインメントなのだ！

文/有馬楽