ウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ』、オバケ撃退部隊が再び出陣『ゴーストバスターズ』など週末観るならこの3本!

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ウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ』、オバケ撃退部隊が再び出陣『ゴーストバスターズ』など週末観るならこの3本!

 週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!
週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、ウェス・アンダーソンが豪華キャストを迎え、ある雑誌編集社のドタバタを描くドラマ、1980年代に一世を風靡した大人気コメディ映画の正統続編、あの“大怪獣”のその後がどうなるのかに迫る異色エンタメドラマの、引き込まれる3本!

何度でも味わいたくなるとっておきの贈り物…『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(公開中)

【写真を見る】『DUNE/デューン 砂の惑星』で話題を集めたティモシー・シャラメら話題の若手も(『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』)
【写真を見る】『DUNE/デューン 砂の惑星』で話題を集めたティモシー・シャラメら話題の若手も(『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』)[c] 2021 20th Century Studios. All rights reserved.

ウェス・アンダーソン監督の作品は、一つのストーリーである以上に、もはや一つの”世界”だ。特に今回は、架空の雑誌「フレンチ・ディスパッチ」を飛びだす絵本のような創造性で彩ってみせた彼の感性が、ワンシーンごとに多幸感となって身体中を駆け巡っていく。その構成も雑誌さながらで、表紙をめくるとまず、街めぐりジャーナリストによるコラムがあって、そこから芸術、社会、恋愛、犯罪、グルメ…、いやジャンル分けなど不可能な特集ページが、各々に全く異なる映像美、語り口、演出タッチを持ちながら展開する。もちろん、細部に至るまでフレンチ・カルチャーへの愛情がいっぱい。それも気心しれたキャスト&スタッフぞろいの、アンダーソンの目を通した”異邦人”的視点のラブレターだからこそ、これほど特殊で、可愛らしくて、活き活きと面白いのだろう。劇場を出た後も、映画の温もりが蘇るたび思わず頬が緩んでしまう。愛すべき味わいの一作だ。(映画ライター・牛津厚信)

青春劇のワクワク感や切なさを押しだし共感を呼ぶ…『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(公開中)

30年の時を経て、“ゴーストバスターズ”の血を引く少女がゴースト退治へ!(『ゴーストバスターズ/アフターライフ』)
30年の時を経て、“ゴーストバスターズ”の血を引く少女がゴースト退治へ!(『ゴーストバスターズ/アフターライフ』)

1984年に大ブームを巻き起こした人気作『ゴーストバスターズ』の新たな続編。田舎町に越してきた少女が亡き祖父の跡を継ぎ、幽霊退治の専門家=ゴーストバスターとなって町の危機に立ち向かう!彼女は84年版で活躍した科学者の孫娘という設定。物語の血のつながりは、監督のジェイソン・ライトマンが84年版の監督であるアイヴァン・ライトマンの息子であることとリンクする。父の『ゴーストバスターズ』はコメディだったが、息子はこの最新作にユーモアを宿らせ、懐かしい主題歌を鳴らしてリスペクトを表明しつつ、青春劇のワクワク感や切なさを押しだし、共感を呼ぶ娯楽作に仕立てた。進化&深化を遂げたゴーストバスターズの世界を体感しよう!(映画ライター・有馬楽)


往年の怪獣映画に対するリスペクトと敬意が感じられる…『大怪獣のあとしまつ』(公開中)

「巨大怪獣の死体は誰が処理する?」そんな疑問に迫るドラマ(『大怪獣のあとしまつ』)
「巨大怪獣の死体は誰が処理する?」そんな疑問に迫るドラマ(『大怪獣のあとしまつ』)[c]2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会

ドラマ「時効警察」シリーズ、『俺俺』(13)、『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(18)などの三木聡監督が、誰も問題視しなかった……いや、薄々思っていたけど触れずにいた、倒した怪獣の死体を誰がどんな方法で片づけるのか?に真っ向から斬り込んだ異色特撮エンターテインメント。確かにあんな巨大な肉の塊を放置しておいたら邪魔だし、そのうち異臭を放って二次災害を起こしかねないので、なんとかしなきゃいけない。けど、誰もやりたくない。てなわけで、内閣総理大臣(西田敏行)や官房長官(六角精児)、環境大佐(ふせえり)ら政府関係者が顔を突きあわせ、喧々諤々、その面倒臭いミッションを押し付けあう展開は『シン・ゴジラ』(16)のパロディ版みたいだが、意外と現実をシミュレートしているようにも見えて、その人間模様に三木監督のブラック・ユーモアとシニカルな笑いが炸裂!岩松了が演じる国防大臣の意味不明な言動やちょいちょい入るキャグも「時効警察」を想起させて、思わず笑っちゃう。それでも、山田涼介が演じた首相直属の戦闘部隊の隊員アラタだけは、脈々と受け継がれてきた特撮映画のヒーローをちゃんと継承していてカッコいい。事の顛末とアラタをめぐる謎が描かれるクライマックスに、三木監督の往年の怪獣映画に対するリスペクトと敬意が感じられるのも本作の愛すべき魅力だ。(ライター・イソガイマサト)

映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!

構成/サンクレイオ翼

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