『ションベン・ライダー』と同日公開!池松壮亮らが『ちょっと思い出しただけ』舞台挨拶で永瀬正敏の俳優39周年を祝す

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『ションベン・ライダー』と同日公開!池松壮亮らが『ちょっと思い出しただけ』舞台挨拶で永瀬正敏の俳優39周年を祝す

池松壮亮伊藤沙莉がW主演を務めた映画『ちょっと思い出しただけ』の公開記念舞台挨拶が、2月12日にヒューマントラストシネマ渋谷で開催され、池松壮亮、伊藤沙莉、永瀬正敏松居大悟監督が登壇し、本作に出演もしているニューヨークの屋敷裕政がMCを務めた。永瀬の俳優デビュー作である相米慎二監督作『ションベン・ライダー』(83)が、本作と同じ2月11日公開ということで、サプライズで松居監督から永瀬に花束が贈呈されると、永瀬は「台本になかったので驚きました。うれしいです」と恐縮した。

元ダンサー、照生役の池松壮亮
元ダンサー、照生役の池松壮亮

『ちょっと思い出しただけ』は、怪我でダンサーの道を諦めた照生(池松)とタクシードライバーの葉(伊藤)の交流を繊細かつユーモラスに描くラブストーリー。『バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画をつくったら〜』(21)や『くれなずめ』(21)の松居監督がメガホンをとった。第34回東京国際映画祭でコンペティション部門に選出され、観客賞とスペシャルメンションを受賞した。

すでに13の国と地域で配給されることが決定している本作について、松居監督は「映画祭(への出品)も決まっています。まだ発表はできないのですが…。東京国際映画祭での反応も良かったですし、すごく楽しみにしています。コロナが世界共通のものなので、そういうなかで撮っていったのですが、思い出しながらも前に進めるようにと作ったので、すごいことだなと思います」と喜びを口にした。

タクシードライバー、葉役の伊藤沙莉
タクシードライバー、葉役の伊藤沙莉

映画のMCは慣れてないとしながらも笑いをとっていく屋敷。池松は、共演シーンがなかった屋敷に「はじめまして」と挨拶をすると、屋敷は「同じ“出た面”してすいません。伊藤沙莉さんとしか会ってないので、今日は2人のカッコイイ俳優を前にビビってます」と緊張気味だった。

池松は何度もタッグを組んできた松居監督について「最初に(一緒に作品を)やったのが20歳とかなので長いつきあいでした。毎回新しいことに一緒に挑戦できているので、毎回違いますし、お互いアップデートしたうえでやれています」とコメント。


花束を受け取った永瀬正敏
花束を受け取った永瀬正敏

伊藤は松居組の感想について「みんなで松居さんを支えてる感じがしました。独特の世界観があるんですが、それをいかに実現させるか、叶えるかで、みんなが寄り添っている感じがしました」と述べた。また、本作で屋敷との共演シーンがあった伊藤は「本当に自然でいました。アドリブとかもガンガン入れてきてたからすごい余裕だなと思っていました」と言うと、屋敷は「映画を観る時、緊張しました。浮くなよ、俺だけが…と思って」と苦笑い。

本作は、ロックバンド、クリープハイプの尾崎世界観が、ジム・ジャームッシュ監督作『ナイト・オン・ザ・プラネット』(91)に着想を得て書き上げた楽曲「ナイトオンザプラネット」をもとに、松居大悟監督が書き下したオリジナル作品だ。永瀬は『ミステリー・トレイン』(89)や『パターソン』(16)などのジャームッシュ作品に出演してきたので、松居監督がオファーしたそうだ。

全員でフォトセッション
全員でフォトセッション

松居監督は「本作の世界初上映が僕の誕生日(11月2日)で、公開日が2月11日ということで、すごくうれしいなと」と喜ぶと、屋敷も「いろいろ奇跡的ですね」とうなずく。

俳優39周年となる永瀬は花束を手にし、「すいません。動揺してるんですが、いろいろ思い出しちゃって…」としみじみ語り「こういう時期に劇場に座っていただけるという喜びを感じています。このお2人がすばらしいので、ぜひそれを噛みしめていただきたい」と池松と伊藤を称え、「松居監督督、尾崎さんもそうで、すごく感謝している映画なので、その想いが一人でも多くの人に届くといいなと思ってます」と語った。

取材・文/山崎伸子

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