映画館で極上ミステリー・クルーズを体感!名探偵ポアロと巡る『ナイル殺人事件』の舞台、神秘に満ちた古代エジプトへ
色とりどりのアフリカの産物がそろう、アスワンマーケット
活気あるオリエンタルな空間が広がる市場はエジプト観光名所の一つ。南部の中心地にあるアスワンマーケットは、エジプトやアフリカの産出物が並ぶ巨大な市場だ。農産物や香料、衣料、雑貨など色とりどりの品々は、砂漠のなかではオアシスのよう。そんなアスワンマーケットで、ポアロは一人たたずむジャクリーンの姿を発見。会話を通して彼女が抱くサイモンへの未練や、実はバッグに小型の拳銃を隠し持っていることを知る。
宮殿みたいな五つ星ホテル、オールド・カタラクト・アスワン
ポアロが幸せの絶頂にあるリネット&サイモン夫妻には初めて会うのが、ナイル川を臨む5つ星ホテル、ソフティル・レジェンド・オールド・カタラクト・アスワンである。19世紀末にイギリス人が設計したこのホテルは、豪華絢爛なビクトリア様式の建築物で、まるで宮殿さながらの荘厳さだ。かつてクリスティも滞在し、「ナイルに死す」を執筆し始めた場所としても知られている。
なお殺人事件の現場になった豪華クルーズ船カルナック号はフィクションだが、モデルとなった汽船が存在する。エジプト王家のために建造され、のちにクルーズ船となったスーダン号で、クリスティもこの船でナイル川クルーズを楽しんだという。スーダン号は手を加えられながら現在も運航を続けており、クリスティが使ったスイートルームは高い人気だという。
ラムセス2世の巨像が並ぶ世界遺産、アブ・シンベル神殿
世界遺産に認定されたアブ・シンベル神殿は、紀元前1280年頃ラムセス2世によって作られた大神殿。正面には20mを越えるラムセス2世の巨像が並び、その足もとには家族の像が立っている。ナイル川沿いの岩山を削った岩窟神殿で、砂に埋もれていたが19世紀に掘り起こされた。ダム建設のため1960年代に4年がかりで移設工事が行われ、それを機に遺跡保護の気運が高まり世界遺産条約が誕生した経緯を持つ。映画ではクルーズの途中で乗客たちが立ち寄り、神秘的な神殿内を散策。リネットが何者かに命をねらわれたり、その後の展開の伏線になりそうな会話をポアロが乗客たちと交わすなど、事件の起点となる場所として登場する。